「まさかまさかの“エピソード1”……」スカイライン 征服 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかまさかの“エピソード1”……
スター不在ながら、やたらと大作感溢れるポスターに惹かれて鑑賞。
一個人の視点から異星人襲来を描いた点は、スピルバーグの『宇宙戦争』に似てる。
なんでこんな感じの悪い金持ち連中の視点を選んだのかは謎だが(笑)、
個人の力ではどうしようもないレベルの化物にひたすら襲われ、
貪られていくという恐怖感・絶望感の演出は悪くない。
“動きを封じる光”なんて斬新だし反則だし、宇宙船が
ダイソン並みの吸引力で人々を吸い込んでゆくシーンも怖い。
象みたいに巨大な怪物が襲い来るシーンもオソロシイ。
絶対勝てないと一瞬で分かるもの。
あと人間サイズの異星人も登場してたが——
『宇宙戦争』そっくりの演出やビジュアルはさておき——
やる事はかなりえげつないのでやっぱり怖い。
ヒロインが宇宙船に吸い込まれてからの残酷描写は
『怖い』を通り越して悪趣味に思えるケド。
低予算を謳う割にはVFXも一級の出来で、
そこいらのSF大作と何ら遜色無い迫力が味わえる。
戦闘機と宇宙船団のドッグファイトなども用意され、
上映時間中、飽きさせない映画にはなっている、かな。
だが問題は……オチ。
人物描写も不味いが、何はさておきオチです。
個人的にはね、映画って必ずしもオチが重要だとは思いませんよ。
『シャッターアイランド』も『ハプニング』も好きですよ、僕は。
けどこの映画のは……
「エええエエェッ!!」
と座席から転げ落ちそうになる超トンデモオチ(爆)。
何、あのエンドロール!
これってSFパニックと見せ掛けて、実は
ヒーローもののエピソード1だったの!?
つーかあれだけ徹底的にやる割にツメ甘過ぎだろ、異星人よ。
ノーミソそのまま移植って!
あんなんだったら反逆する元・地球人さんワラワラ出てきますよ!
そうか、続編では既に異星人に改造されてた
黒人の兄ちゃんとコンビを組んで侵略者どもと戦うんですね!
こいつは今から次回作が待ち通しい……訳あるかいッ!
はぁ……もうレビューじゃなくてただのツッコミになってきた。
いっそ主役2人が宇宙船に吸い込まれた所で
バシッと終わった方が良かったんじゃないかしら。
救いの無い話になっちゃうけど、物語としてはきれいに終わるし。
SFパニックとしてもトンデモB級映画としても、どーにも中途半端な感じだなあ。
鑑賞後に気付いたが、監督は『AVP2』の監督コンビ。
……なんか妙に納得。
<2011/6/18鑑賞>