「唐山より四川、そして中国の成長」唐山大地震 antさんの映画レビュー(感想・評価)
唐山より四川、そして中国の成長
中国本国で大ヒットしたというとついプロパガンダ色が強いのかと思ってしまう。出てくる軍人の考え方をはじめそういった面があることはたしかだ。一番目立つのは成長する中国の都市、ここは「スラムドック・ミリオネア」を髣髴とさせる。イギリス人が撮ったインドの映画と違い、中国人が撮った中国の映画なので、そこには外部からの視線ではない。
しかし基本は唐山大地震で夫を失い、下敷きになった双子のうち息子を選択した女がその罪を抱えて生きる物語である。そして死んだと思われていた娘がじつは生きていてるので、最後には家族と再会できることは容易に想像できる。この母親も娘の養父も古い考え方をもった世代の人間だ。それに対して娘も息子の嫁も新しいタイプの中国人だ(外見からしてかなり垢抜けている)。オーソドックスな物語のなのでそれが目立つようになっている。
最後の再会場面は意外にあっさりとしているかもしれないが、それに至るあの現場に駆けつける二人の行動力には感心する。それが若い世代パワーなのか、中国人が昔から持っていたものなのかは知識がなく判断できなかった。吹替えの相武紗季は悪くない。
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