「I am free. キリスト教の暗部」アレクサンドリア アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
I am free. キリスト教の暗部
紀元350年頃のアレクサンドリアの女性哲学者ヒュパティアを描いた作品です。今でいうと哲学者っというより天文学者っぽいのですが、天文学と数学が専門だった模様です。
日本では今一パッとしなかった印象の本作ですが、製作されたスペインでは大ヒットとなってます。しっかし、これだけキリスト教の悪い所を描いた作品が国民の70%がカトリックのスペインで良くヒットしたものです。作品自体は見応えあって、とても面白かったんですけどね。当時の建物の再現とか、暴動シーンとか、けっこう金かかってそうです。最近少ないですよね、金かけた歴史物って。
ラファエロの絵画「アテネイの学堂」にも描かれてるヒュパティアさんですが、正直この作品を見るまで知りませんでした。まぁ、古い話ですし、今となっては本人が書いた書物などは残ってないようなのですが、「真実として迷信を教えることは、とても恐ろしいことです」とか名言は今も残っています。良いこと言うわ~。
尚、映画では描かれませんでしたが、実際は貝のからで皮をそがれで虐殺されたようです。さすがにグロ過ぎて映像化は無理!映画での窒息死の方がまだマシです。歴史の中でこれまで一番人を殺した人類の発明は宗教ですし、実際キリスト教ってアレぐらいの事は余裕でやってたみたいなんですよね。よく「自分の正義の為なら他人に対してはどれだけでも残虐になれる」って言いますが、まさしくその通りな内容です。宗教を正しく描いた媚びてない映画という点でも珍しい作品だと思います。
歴史や宗教等にそれなりに知識が必要になってきますが、知ってる人は楽しめる事間違いなし!古代の美しい風景と、40歳過ぎてても美しいレイチェル・ワイズと、知的だった為に起こった悲劇のドラマと色々と楽しめる作品でした。