「愛とは」髪結いの亭主 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
愛とは
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絵面が美しいけど、中身はエロ変態、という映画は好き。美しいは最強。そして物悲しい。南フランスが舞台っぽいが、明るい日射しの中で微笑むマチルドが、めっちゃ色っぽくてきれー。脚もスラリと伸びてきれー。こんなに魅力的な女性が、なぜヘンタイおじさんに惹かれるのか…謎だ。たぶん、マチルドは過去に何ごとかあったんだろう。自分に自信があって強ければ、あんなヘンタイおじさんに依存しない。でも、彼女は彼に満足しているし、信頼しているし、愛している。そして、幸せなら幸せなだけ、失うことが怖い。不安が徐々に彼女を侵蝕していく。で、自分で終わりにした。愛って…複雑で制御不能。
アントワーヌのダンスは独特で面白い。北アフリカか中近東の音楽っぽいけど、生き生きと楽しそうに踊るのでいい。見てる人も笑えるし元気になる(変な顔する人もいるが)。彼は自分の好みは貫くが、だからといって強引ではない。プロポーズも紳士的だった。マチルドは彼との濃密な時間から逃れていったが、彼はどうなるだろう。思い出を反芻しながら生きるだろうか。それとも忘れるだろうか。また髪結い女を求めるだろうか。私の想像では、愛した女たちの幻影を見つめながら、ゆっくり壊れていくような気がする。
2階にも部屋があるが、終始1階の店でのみ語られる物語。夢のような儚さと美しさがある。
BS松竹東急の放送を鑑賞。
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