劇場公開日 2011年1月8日

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「チェリーボーイの毛糸のパンツのようにチクチクと刺さった」髪結いの亭主 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0チェリーボーイの毛糸のパンツのようにチクチクと刺さった

2024年1月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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私が小学校高学年か中学生になったばかりの頃、近所に新しい床屋(理髪店)が開業したので、行ってこいと言われた。30前後の若い女性が店主だった。カミソリを皮で鞣すしぐさにドキドキした。椅子を倒されシャンプーされると気持ちよくてイきそうだった。はじめて眉毛の眉間やうぶ毛のひげを剃ってもらい、鼻毛を小さなハサミで切られると恥ずかしくて、鼻血が出そうだった。彼女はそんな私をお見通しで、わざとエレガントかつ猟奇的に仕事をこなしたのかもしれない。まさにまな板の上の鯉だった。その店に行ったのはその次の2回限りで、そのあとは店の外から彼女の姿を時々覗き見るだけだった。完全に自意識過剰だった。そのことを今頃になって鮮明に思い出して、なんで通い続けなかったのだろうと後悔している。もしかして、もしかしたかもしれないのに。
中年になってから理容師のマチルドと結婚したアントワーヌのこだわり。毛糸のパンツのようにチクチクと刺さって、ザワザワした。

カールⅢ世