「ひたすらカズが悪い」軽蔑 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
ひたすらカズが悪い
良家の一人息子カズ(高良健吾)と、ストリップダンサーの真知子(鈴木杏)は、新宿で出会って恋に落ち、カズの田舎に戻って二人で新生活を始める。
しかし真知子の職業柄、周囲からの目は冷たく、カズの両親からも破門にされてしまう。
さらに、新宿で作った借金の返済が思うようにいかず自暴自棄になるカズは、田舎でも賭博で多額の借金を重ねる。
真知子や仲間たちが借金返済に奔走するも、あまりに額が大きく誰も太刀打ちできない。
金もない、頼れる人もいない。
自分たちにもはや未来がないと知りつつもなお、互いの孤独を分かち合った二人の愛は痛いほどに深く、決別できるわけもなかった。
ちーん。
壮大な失楽園的展開を想像していたけど、なんのこたぁないチンケで安っぽい人迷惑極まりない話だった。
「百円の恋」のレビューにも書いたけど、まず鈴木杏のポールダンスが下手。からだ重そう...
でも濡れ場(特に最初の旅館での)はとっても色っぽくて、新宿でのシーンは場末感を漂わせつつ一定の品格は保ってる感じがして、自然体だし、笑顔可愛かった。
ってか私、鈴木杏と同い年でしかも誕生日2週間違いなんだ!(謎の自慢
そしてこのカズなる人物のクズっぷりは本気で嫌悪感を催すレベル。
自分が原因で仲間を巻き込み、最後まで見捨てないでいてくれた人物をも巻き込み、彼ら全員を漏れなく不幸にし、中には死んでしまった人もいて、それを目の当たりにしてもまだわかりませんか己のクズさ加減が?
この後に及んでまだ「なんとかするから」って言っちゃうあの感じね。
心の何処かで本気でそう思ってそうだし、たとえ強がりだとしても不快すぎる。
「なんとか」って言いつつ、最後は結局盗むとか殺すとかそういう発想にしかならないのはなぜなんだ。
とりあえず真知子と別れたフリしとくとかさ、なんかもっと他にあっただろうよ方法がさ!
先がない二人の絶望的な愛、って映画としてはすごく魅力的なテーマ。
でも一方がこんなクズじゃあねぇ。。。
八方ふさがりになってお父さんに土下座するシーンもあったけど、あれだけじゃ必死さが伝わらない。
縋り付くとかさ。何回も行くとかさ。
そもそも最後まで微妙に小綺麗な格好してるのが納得いかない。
カズがもっと必死だったら、頑張れって思えるような人物だったら、もっとマシな映画になったでしょう。
あと小林薫が「天皇の料理番組」の人にしか見えなかった。
こんなクソ息子がいたからあんな仏頂面だったのか、道理で、、、と。笑