「そこそこの山岳ホラー」デッドクリフ ヨギベアさんの映画レビュー(感想・評価)
そこそこの山岳ホラー
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今ではひとつのジャンルを成したといってもいいほど隆盛の山岳ホラー(ケイビング含む)。何がいるかわからない、どんなことが起きるかわからない山の不気味さが、ホラーと相性がいいんでしょうね。そもそも「13金」のようなキャンプ物だって広義の山物に含めていいかもしれませんね。
この映画、はじめは山岳サスペンスといった感じで期待以上の出来を感じさせます。登場人物のキャラが類型的にわかりやすく描き分けられているので、話に入り込みやすい。必ずいるバカが騒ぎを大きくして、イヤーな予感を増幅させます。
ところが一転、「それ」が出てきてからは、ありがちな展開になってしまい、トーンダウン。正直言って、「それ」の正体には失笑を禁じえません。女子一人に手を焼くという歯ごたえのなさなのであまり怖くない。人間狩りがもどかしく進められるうちに、最後は都市伝説のような締めくくり方で拍子抜け。
特に残念なのは、「それ」が現れて以降の展開にはほとんど山岳映画の要素がみられないこと。せっかく登山のパートではいい味を出しているのですから、襲う、逃げる、反撃するなどのテクニックに、山ならではのアイディアを駆使していれば、記憶にとどまる作品になったでしょうに。
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