「【”カオスが支配する、生と性と死の世界。”今作はラース・フォン・トリアー監督の沼の様な世界感に浸る作品である。”今作を面白く鑑賞した私は変態でしょうか?ハイ、立派な変態です・・。”】」アンチクライスト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”カオスが支配する、生と性と死の世界。”今作はラース・フォン・トリアー監督の沼の様な世界感に浸る作品である。”今作を面白く鑑賞した私は変態でしょうか?ハイ、立派な変態です・・。”】
ー 冒頭から男(ウィレム・デフォー)と女(シャルロット・ゲンズブール)が激しく愛し合っている。それを見ながら彼らの息子と思われるニックが熊の人形を抱えたまま、窓を乗り越え雪が降る地面に落ちていく。
女は精神を病み、セラピストと思われる男は、森の奥の山小屋へ向かう。-
◆感想
・今作で女を演じたシャルロット・ゲンズブールは、小学生の時に彼女が父親セルジュ・ゲーンズブールのプロデュースで出した可なり近親相姦の香り漂うファーストアルバム「魅少女シャルロット」を聴いて以来、気になるアーティストである。良く考えると、嫌らしい子供であったなあ。
・ご存じのように、ラース・フォン・トリアー監督は重度の精神疾患を抱えている。故に、マアマア問題作の数々を世に出しながら、特にヨーロッパの映画祭では評価が高い。
それにしても、今作を観てもシャルロット・ゲンズブールのメンタルの強さには驚くばかりである。今作後も「ニンフォマニアック」シリーズで主演を演じているが、マア凄いシーンの連続である。今作でも、マア凄いシーンをこなしている。流石、セルジュ・ゲーンズブールとジェーン・バーキンの娘である。
・今作では、一見、男が女を支配しているように見えるが、中盤からは女が男を支配している事と、女が魔女狩りの研究をしていたり、息子ニックに対し靴を左右逆に履かせて居たり、ニックが落下する瞬間を見ていた事が描かれて行く。
つまりは、アンチ・クライストたる人物は女であり、男はその事に気付き、女を手に掛けるのである。元々どこかが狂っていた女が望んでいたように・・。
<今作は、ラース・フォン・トリアー監督の沼の様な世界感に浸る作品なのである。>