「女性が受ける残虐行為はそもそも女性に内在する残忍性と実は表裏一体なのだと言いたいのか?」アンチクライスト カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
女性が受ける残虐行為はそもそも女性に内在する残忍性と実は表裏一体なのだと言いたいのか?
ダンサー・イン・ザ・ダークで懲り懲りだったランス・フォン・トリアー監督の2009年公開のこの映画を渋谷にインド映画を観に行ったら、魔が差して見てしまいました。別にサービスデーでもない平日のヒューマントラスト渋谷。ほぼ満員の盛況ぶり。
変態さんいらっしゃ~い。
それにトリアー監督の映画を期間中に十作品ほど制覇するスタンプラリーなんかやっていて、コンプに夢中な方もかなりいらっしゃって、強いなぁと感心しました。
真面目なホラー映画は洒落にならん。
セックスに夢中になっている間に一歳半ぐらいの可愛い盛りの一人息子が窓から転落してしまうプロローグのカット割はなかなか映像作品としてオシャレでよかったのですが、章ごとに分けられた展開は理解しがたい。
ウィルム・デフォー54歳ぐらい、シャルロット・ゲンズブール48歳ぐらいの撮影でしょうか。妻の淫乱ぶりにも呆れますが、それにすぐさま対応できる夫にも呆れます。
カウンセラーの夫とその妻。長く入院している妻と不思議とサバサバしている夫。悲しみの受け入れから克服の長い過程を手厚くサポートする展開なのかなと思いましたが、変な夫の誘導で余計におかしくなってゆく妻。夫に勧められ、あのエデンの森公園の山小屋で息子を連れて、論文作成をしていたらしいのですが、屋根裏の禍々しい資料は魔女狩りなど女性が受けた虐待モノばかり。サディズムとマゾヒズムは表裏一体?夫は君の資料集めが片寄っていて、それを全部引用しようとするのが悪いとか言うものの、あんたの指導もおかしいだろって思います。あんたたちもう別れなさいよ❗
突然、股間をブロックで殴打し、強制血みどろ手コキ射精からの大きな重い電動砥石をドリルで貫通させて足枷にして、わざとレンチ🔧を軒下に隠す行動を取る妻。しかも、ハサミでじぶんのあそこをFGM。抑圧され続けたためなのか、もともと彼女に備わっていた狂気なのか、どっちにしても異常過ぎて、訳がわかりません。そして、足枷を引きずってタヌキの巣穴みたいなところに入っていく夫も訳がわかりません。穴の中でマッチを擦ると穴の土の中からカラスが出てくるのも訳がわかりません。
ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールの組み合わせ。凄く気持ち悪いです。お母さんのジェーン・バーキンは素敵だったんだけど、彼女は痛々しい。日本だったら柄本明と大竹しのぶでしょうか、こんな狂気の芝居を受けて、やってのけそうなのは。