「殺し屋の魂百まで」RED レッド 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
殺し屋の魂百まで
気分爽快なアクションエンタメ!
役者陣の魅力を書いていたらとても字数が足りないが、
ウィリスもルイーズ・パーカーもフリーマンもミレンもドレイファスも皆、
茶目っ気があってとにかく楽しい。
最高齢ボーグナイン氏は初めて観た役者さんだが、良い味ですねえ。
悪役のイメージが強いB・コックスも、今回はロマンチストな
ロシアンスパイ役。何気に要所要所で見せ場をさらう。
“RED”に振り回される敵役K・アーバンも良いな。
『指輪物語』といい『ボーンスプレマシー』といい、
一本気な役が良く似合いますね、彼は。
けど全編を通して一番面白いのは、なんと言ってもJ・マルコビッチ!
「またブタちゃんを連れてくぞ〜!」と絶叫する
変人役が似合い過ぎて怖い(笑)。
なかでも登場時点からコンテナ置き場での戦闘までの流れには
笑いが止まらない。妄想狂の変なオッサンかと思いきや……
あとは観てのお楽しみ。
アクションシーンはこれでもかと盛り込まれているし、
物語の舞台もガンガン変わるが、
とにかくテンポが良くてダレない。
巨大な敵の正体や、それを操る黒幕にもちょっと驚かされた。
いやー、権力のある人間より怖いのはやっぱり、
権力者を抱き込めるだけのモノを持った奴って事ですか。
さて、
グレネードランチャーの弾を直撃(!)させたり、
相手が投げた手榴弾をまさかの“ピッチャー返し”したり、
常人離れした戦闘スキルを見せる“RED”の面々だが、
だからといって「無敵過ぎて白ける」という事は無かった。
何故なら敵も強大だし、それなりに頭の切れる奴もいるから。
それにほら、主人公の皆さんはお年を召されてますから。
派手なアクションに笑いを盛りつつ、
尚且つ適度な緊張感を保った手腕は見事だと言いたい。
少し残念だった点というか、僕の勝手な期待と違っていた点としては、
前情報で予想していた
『ローテクを極めたベテランVSハイテクにかまけた若造連中』
という構図では無かった事かな。
ベテランの心意気は伝わるが、もうちょっと「ベテランならでは!」って技も見たかった気がする。
あとはM=ルイーズ・パーカーにもうちょっと
後半の見せ場が用意されてたら良かったかなあ。
ええい、些細な事だ!
気を張らずにサクッと楽しんで観てくださいな。
それにしてもあのラスト……
いったい何がどうなったらあんな状況になるんだろう(笑)。
<2011/2/5観賞>