「老練」RED レッド U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
老練
雰囲気がとても好き。
今作のブルース・ウィルスはとても魅力的だ。
お話の流れからすると、これは彼の初恋にあたるのだろうか?
冒頭の数分はホームドラマでも見てるのかと思う程に拍子抜けなんどけど、事が始まってからは実に小気味がいい。
彼女と初対面する時など、凄腕のストーカーのようで…元CIAの機密捜査官のスキルを何に使ってんだとつっこんでしまう。
実のところ、彼に暗殺指令が出ていてソレを回避すべく物語は動きだすのだが、昔の仲間や敵に助けを求めるべくしてチームが出来上がる。
このチームメイトがまた痛快で…。
皆、現役を退いた各国のエージェントなんだけれど、所謂伝説級の老人達なわけだ。
かつてのブルースと鎬を削ってた連中だけあってスペシャル中のスペシャル。
現役世代のCIAを手玉にとっていく。
CIAの本部に侵入するは、副大統領を拉致するは…たった5人に歯が立たない。
祭りの後のような大広間で呆然とするクーパーは、とてもパンチが効いてた。
危険極まりない作戦の最中でさえ、この老兵達はどこか余裕があって、現役時代にどんな修羅場を潜ってきたのだろうとワクワクする。
また今作のヒロインは、完全な一般人であり、彼女の存在が緊張と緩和を与えてくれる。とても優秀なギミックになってた。
終始、抑えた芝居のブルースが穏やかな表情ができるのも彼女のおかげだ。
それだけじゃなく、チーム全員のキャラが立ちまくってて…当初コミカルな役所のマルコビッチが、淡々と任務をこなしてたり、手負いのヘレンを見捨てる目も好きだ。ロシアのブライアンがブルースと対峙した時は、旧敵でありながらも親友のような雰囲気があるし…もう年齢を経たからこそ表現できる“過去”が魅力的過ぎて、作中では回想も入らないのだけれど妄想が捗って仕方がない。
とにかくキャラクターが魅力的だ。
楽しかったー
続けて「REDリターンズ」を見ようと思う。