「覗き趣味」木洩れ日の家で kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
覗き趣味
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女医にいきなり「脱いで」と言われ、腹を立てて医院を飛び出してきたアニュラ。彼女の恥ずかしがり屋と傲慢さを冒頭で見せつけてくれる。
住んでる家は森の中。とは言え、隣家の一方は金持ちが愛人を囲っている家で、もう一方は子ども達にブラスバンドを教えている一家。静かに余生を送ろうとしているのだろうけど、彼女の家にはかなりの訪問者がある。家を売ってくれと願い出る隣家、ブラスバンドの子どもたち、そして古い家から強制撤去させようとする役所の人間、そして息子、孫・・・美しい想い出に浸っているヒマさえ無さそうだ。
家は絶対に売らない!死ぬまで。今この家を手放してしまうと、ただでさえ思い出すのが困難になっているのに、すべて、彼女の人生さえが消えてしまいそうだ。そんなとき、息子が金持ちの隣家を訪れているのを目撃し、家を売ろうとしていることを知る。息子の嫁はそんな薄情な息子とは違い、義母のことを考えてるというのに・・・
そして、最後には公正証書を作成。家を隣人の若夫婦が経営する音楽クラブに譲るという遺言だ。家には様々な楽器が持ち運ばれ、みんな幸せそう。やがてアニエラは静かに息を引き取った。愛犬フィラがじっと彼女を見つめている・・・
原題は“TIME TO DIE”。このままだと結末を想像してしまいそうだし、こもれびで良かったのかもな。残念なのは二つの大戦を経験し、ナチスとソ連が侵攻してきたりと、激動の歴史を持った国というものを感じさせず、どこの国でも通用しそうな内容だったこと。か。
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