クレアモントホテルのレビュー・感想・評価
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長期滞在型ホテル
老人ホームみたいなホテル。未亡人が多い。アーバスノット夫人(マッセイ)はなぜか元気で、夕食後のテレビ室では『セックス・アンド・ザ・シティ』をみんなで観るのが大好き。パルフリーには図書館で「チャタレー夫人の恋人」を借りてこさせる。路でころんだとき、親切な若者ルードヴィック・メイヤー(フレンド)が介抱してくれた。土曜日のディナーに招待したと滞在客の前でしゃべったとき、ついに孫のデズモンドが来ると囃し立てられ、孫のフリをしてもらうことに・・・
ルードがホテルのディナーに誘われたときから、周囲の滞在客はみな興味を持った。ウェイトレスのヴァイオレットなんかはまさしく恋に落ちた雰囲気。客の男からはプロポーズもされるし、世界が変わった感じがしたはずだ。本物のデズモンドが現れたり、本物のデズモンドの母親が現れたりもする。サラの好きな映画は『逢びき』。それを借りに行こうとレンタルショップに行ったときルードは一人の女性と出会う。
“老い”をテーマにしてはいるが、一人の青年が出会った、ほんの短い時間だったけど、生涯忘れられぬ人を描いたもの。『逢びき』の原題がまさしくそんな意味だから、そういうことなんでしょ、きっと。
ルパート・フレンドがイケメンで、親切で、誰にも好かれるタイプってのが、ちょっと気に入らない(笑)
そなたはナイトなり、ルードヴィッヒ
人生の終わりの前に好きなことをしてみると、何かが起きるかもしれない
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
老いを迎えて、必ずしも家族とうまくいかなかったり、それでも自ら人生の最後に新しい生活をしてみようと思ったり、老婦人のそのような行動が前向き。でもホテルの滞在者とのよくある人間関係の話はありきたりでたいして面白くも無かったし、当初は起伏に乏しくてやや時間を持て余し気味だったが、後半になって動きが出てきて少しずつ良くなってきた。
やはり年齢を重ねていけばいやでも死を意識させられるけれど、でも自分で何かを始めれば、今まで無かった新しい扉が現れて開かれることもある。物語の展開は運の良さにも頼っているけれど、寂しいからといってあまり欲張りすぎずに丁寧に人と接していく姿勢が良かったのだと思う。変に頑固になったり感情的になったり我侭になったりして、自ら孤独に不幸になっていく高齢者も多いから。その意味でもほっと温まる数週間が来て良かった。
それにしても必ずしも高級ではないとはいえ、ロンドンのホテルに長期滞在って、この人はちょっとした小金持ち。
優しい大人の御伽噺
子供の頃だけど、私にも年の離れた友達がいました。池のコイに餌をやりながら話し込んだおばあちゃん、2階の窓を見上げると、不自由な手を振ってくれたおじいちゃん。
心が一人ぼっちの時に出会ったんだろうと思います、よく憶えてないけど。
仲間と駆け抜けて知らんぷりだったことも多かったろうに、ダメダメ娘だろうと絶対的に私のファンでいてくれて、私もずっと忘れない友達。
懐かしい人達に、一緒に過ごした短い季節に、また出会えたような優しい作品でした。
ミセス・パルフリーがとてもチャーミング。
出会った若い友達がルパート・フレンド演じる小説家志望の超イケメン青年っていうのは、そこは大人の御伽噺な感じで、なかなか良いんじゃないかと思います。
よい!
ゆったりと流れる時間
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