「切実な痛さ」ブラック・スワン xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
切実な痛さ
皆さん、こんにちは(いま5月19日10:50頃です)
皆さん、大絶賛されてますね。
だから、僕は違う切り口でこの映画を評価したいと思いました。
それは「痛さ」です。
たとえば、
①ささくれ立った指先の皮をむくことだったり
②なぜか、背中についた擦り傷だったり
③背中に刺さっていた棘だったり
④バレエダンサーの職業病のような足の爪が割れたり
⑤おなじく、足の指がくっついて離れなくなっちゃったり
と「痛さ」が満載です。
精神的に追い詰められるニナだけど、
肉体的なところからも、これでもか、これでもかと攻め立てくる。
実に痛いんです。ひとつひとつは耐えられないことはないけれど、
波状攻撃にようにやられると参ってしまう。
僕もその痛さに耐えられなくなって顔をしかめてしまったのです。
アロノフスキー監督は前作「レスラー」でも痛さを表現していた。
流血の場面やイスでぶん殴るシーンなんかはリアリティたっぷりでした。
それがある意味、虚構であっても。いや虚構であればあるほど、
リアルな感覚が必要なんですね。
その監督のサディズムの耐えたナタリー・ポートマンもまた見事。
ずいぶん、やせましたもんね。
そして、ブラックスワンになりきった。
アカデミー主演賞は当然でしょう。
白鳥から黒鳥へ、ジェットコースターのような映画でした。
評価A+
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