劇場公開日 2011年3月12日

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「忍たまかー、昔見てたなって人に見て欲しい!!!!」劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段 earthpinさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0忍たまかー、昔見てたなって人に見て欲しい!!!!

2019年3月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

忍たま。というと ああ乱太郎か〜と、一度は見たことあるのではないでしょうか。
原作は朝日小学生新聞に(3ヶ月を1シリーズとして)毎日3Pずつ載る1986年から始まった尼子騒兵衛先生のギャグ漫画です。
1993年ごろからTVアニメがNHK教育テレビ(現在Eテレ)で開始し今年2019年は27年目です。
それの初にして今の所唯一の長編(80分)映画版、2011年3月12日に公開。それがこの作品です。
この日付、東日本大震災の翌日で、初日舞台挨拶が中止になったり、被災した映画館で無料上映したりしたそうです。
はい、何が言いたいかと言いますと、アマゾンプライムで無料なので本当見てくださいということです。

忍者=秘密を守り厳しい世界に生きる、家族であっても100%気を許すことはできない。
✖️
子供と先生=無邪気さとその子らの将来を願い教える真摯な先生がた
✖️
室町時代(アマプラでもよく戦国時代と書いてありますが、原作などで室町です)=戦争し領地を争うことが真っ当な手段であり、負けた城の領地の村人たちは村を焼かれるのが普通の事である、現代とは全く違うルールの世界。現に準主役きり丸は戦災孤児なのです。
✖️
ギャグ漫画=一人一人の困ったところと良いところが騒動を巻き起こす、人間性に基づいたギャグの連続。結果としてキャラクターが非常に濃い!!!!

… 以上を最高のバランスで映画化されています。

<背景>
これが一番はっきりTVと違い、昔話風にデザインされたものではなく、リアルな描写になっています。例を出せば、モコモコの雲形で表されていた<草むら>が葉っぱ一枚ずつ描く背景になっている感じです。そして、光の表現がめちゃくちゃ綺麗です。(古いお堂の中の夕暮れなど特に)そして決して手前の人物と乖離する事なく、シリアスな戦いの空気を出しています。合わせて人物の色設計もTVよりコントラスト高めで鮮やかです。真夏の感じがよく出ています。

<作画>
TVアニメでも元々しっかりしているのですが、その基本に乗っ取りながら、とことん動いてます。自然にかっこいい。
戦闘もですが、むしろギャグシーンでめちゃめちゃ動いてます。最高かよ。
動いてるんです、キャラデザを線いっぱいにして特別細かい描写にしてるとかじゃないです。
ちょっとぶつかるとか、ちょっと怒鳴るとか、ちょっとふらつくとかいう自然な動きから、コケる、吹っ飛ばされる、ツッコむ、などのおきまりのオーバーアクションを、空間の中での立体的な動きとしてトコトン見せてくれるんです。
(詳しいファンの方へ 七松小平太とか、平滝夜叉丸とかが、忍者として落ち着いた動きをして役に立っているシーンってなかなか無くないですか?!涙)

<ギャグ>
立体的で美しい風景の中でテンポよくギャグを怒涛のごとく畳かけながら話が進んでく感じです。
また、本当に丁寧に一人一人の持ち味を生かしたズッコケシーンを作ってくれているので、20年の間にめちゃくちゃ増えたキャラクターをTVなど見ていて一人一人よく知っているかたは涙を流して喜べます。
かといって、無理していっぱい出してる感は全くないのがすごい。TVよりも実は『あっ、OO組のOO先輩!』の紹介ゼリフはほぼ無いんですよね。それでも話が分かるようなシナリオ演出。
逆に、最近の忍たまを見ていなくて先輩衆とか知らんよという方でも、気にならずに楽しめるはずです。

<シナリオ>
最初に書いたように、火縄銃や石火矢で戦って、忍び込んで策略を立てて、、、子供達に攻撃のしかたを訓練しているという時代設定で進むギャグ漫画なので、リアルにすると本当に血が流れるわけですが、もちろん血は一切描きません、が、通奏低音としてTVよりも死が間近にある中でこそ、「ザ保健委員・乱太郎」が本領発揮し活躍します。この映画でああ乱太郎はこういう子だったのかって思わされました。
いつもの「手裏剣がお尻にサクッって刺さって痛ってええええ〜』よりも修羅場はあります、でも大丈夫なんです。みんな良い子で心に従って行動すれば戦う大人たちにも何かが届く。そのギリギリのシナリオバランスに感動しました。

またこういう乱太郎映画見たいなああ!!!!!

earthpin