劇場公開日 2011年4月1日

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「大器の予感」高校デビュー ダックス奮闘{ふんとう}さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5大器の予感

2011年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

「ハンサム・スーツ」で谷原章介のあっぱれなコメディセンスを開花させた英勉監督が、新人女優で初主演となる大野いと、溝端淳平を迎えて描く、恋愛コメディ映画。

原作をつまみ食いしていたため、その若干シリアスな要素を含んだ物語をどのように料理するか注目していたが、見事に笑顔満開の馬鹿馬鹿しさを前面に押し出しつつ、乙女心にストライク!の格好良い、そして可愛い主演二人の魅力がてんこ盛り。春にぴったりの心が躍る快作に仕上がっている。

特に、本作が初演技で初主演という大野いとが光る。台詞のもたつきは残るが、生まれ持った「美人・・なんだけどぅ」という良い具合に崩れた庶民的な可愛らしさが存分に生かされている。

本人もそれを十分に理解しているようで、変顔、シュールなギャグ、ついには月に吠えてしまったり・・・遠慮なく画面狭しと大暴れ。そのあっけらかんとした陽気さに、観客も安心してそのハイテンションに乗っかっていける。日本映画界に、また楽しみな大器の予感をぷんぷんさせる女優が現れた。

これまでにないイケメン役で新境地に挑む溝端も、弾けすぎず、引きすぎず、憧れの王子様をコミカルに演じ切り、意外な上手さに舌を巻く。

カップルが寄り添って楽しむも良し、女友達同士でキャーキャー歓声をあげながら笑うも良し。これぞ春休み映画!!の娯楽作、たっぷりと味わって春を軽やかに迎えてほしい。

ダックス奮闘{ふんとう}