「メキシコが作ったタコス・ウェスタン!」エル・トポ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
メキシコが作ったタコス・ウェスタン!
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2回目の鑑賞になるが、初見をよく覚えていない。
初見はバブルが弾ける前だと記憶する。新宿の『ですこテック』の帰りに、小岩にあった今は無き『ビデオボーイ』のレンタルビデオで見た。
一緒に借りたのが『旅芸人の記録』で、最初に旅芸人を見たので、エル・トポも早回しで見てしまった。だから、エロ・グロ・ナンセンスな映画と偏見を持つことになった。しかも、身体障害者に対する差別と一方的に解釈したようだ。
さて、
地下の売春ルームの様な所で乱痴気騒ぎをする場面があるが、当時行った『ですこテック』に似ているって思った。だから、初見を思い出した。
結果論ではあるが、資本主義の矛盾を『ですこテック』で感じたと、今は言い切れる。
この映画、色々な仕掛けを残していると感じる。何回か見てみると、その仕掛けに気づくかもしれない。何れにせよ、大傑作だと今は断言する。
但し、どんな監督とか、カルト映画なるモノが何なのか全く知らない。僕はメキシコが作ったタコス・ウェスタンと思っている。
こじつけになるかもしれないが、身体障害者を受け入れる事の出来ない街の人達はアメリカ人で、身体障害者はメキシコからの不法入国者に見えた。勿論、監督がそんな事知る由もないだろうが。
ゴ・ディン・ジエム時代に起きたサイゴン(?)での、仏教僧の抗議による焼身自殺が監督の頭の中にあると思う。ベトナム戦争が激化する前に、日本の廃仏毀釈の様な弾圧がベトナムではあって、そういった抗議の中にこの焼身自殺がある。1963年の出来事。そして、映画は
ベトナム反戦運動の真っ只中。
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