フード・インクのレビュー・感想・評価
全17件を表示
人類への警鐘(牛の身体にバーコード)
2008年のアメリカ映画。
アメリカの食肉やコーン・大豆の生産・販売・供給を一手に牛耳る巨大企業の陰謀に迫る
ドキュメンタリー映画です。
これは「対岸の火事」ではなくて、日本にとっても「自国の火事」と捉えるべきでしょう。
食肉の飼料は今、圧倒的にコーンに頼っています。
コーンが安いしコーンの飼料を食べると牛も豚も《大きく早く育つ》と言う。
塩・油・砂糖を多量に含有する食料=
ソーダ。ハンバーガー&ポテトフライ。
これらは皆、1ドル以内です。
お腹を簡単に膨らませることが出来て、脳は砂糖で満足感を得る。
アメリカ人の食事を支えるそれらの食物。
糖尿病患者製造の必須アイテム。
アメリカでは巨大食品会社、巨大食肉会社が政治献金をすることで政治も味方につけて
更に利益を独占している。
驚くのは遺伝子組み換え大豆を作らない農家を、法律で取り締まっていることには驚きました。
抵抗する個人農家は、大企業に訴追され裁判費用が嵩み泣く泣く示談にして廃業へ追いやられる。
遺伝子組み換え食品を政府が後押ししているのです(最近は変わったかもしれませんが、)
農薬散布、製造過程での塩素やアンモニアにさらされた上に、食品添加物だ。
いつもテレビ・ニュースで一般的なアメリカ人の姿を見ると、肥満率がとても高い。
今回の新型コロナでも、肥満した基礎疾患の持病を持つ大柄な人の死亡率が異常に高かったと言う。
米国のコロナ死者は69万人程。
間接的とは言え、いかに食生活が生命を脅かすかが分かると思う。
近年「食の安全」への危機意識は高まってきている。
以前、「甘くない砂糖の話」や、
マクドナルドの商品だけを1ヶ月間食べ続けたドキュメンタリー映画、
「スーパーサイズ・ミー」を観ました。
砂糖並びにファスト・フードが如何に健康に悪いかを検証しています。
この映画は更にファスト・フードの原料、生産過程にも肉薄。
企業の利益追求が如何に人間の健康を脅かせているか?
その根本的根幹に迫っています。
それにしてもだが、とうもろこし(コーン)
コーンは食用(油、スープ、酒・・バーボン・ウィスキー、)
飼料、燃料=バイオエタノールやプラスチックの原料)
安い上に本当に役に立つ。
利便性に甘えていると大変なことになる。
アメリカの飼料や大豆に頼っている日本人には、耳が痛い!!
知った上での選択
確かにあの頃には
国産の肉を買うようにしていました。
でも,人はすぐ忘れますね。
20年も経てば
きれいにパックされた
安価な外国産の牛肉・豚肉などの方を
選んでいます。
安いものには,
からくりがあることを
忘れないようにしようと思い起こさせてくれました。
【”食の安全管理システムの崩壊を招く「工業フードシステム」は、人々の意識一つで変えられる。”一人一人の行動が、巨大企業の寡占が進む食品業界の仕組みを変えるのだなあ、と今更ながらに思った作品。】
ー 巨大企業の寡占が進む米国の食料生産事情を描いたドキュメンタリー作品。-
・”チキンでなく、食料製品を作っているんだ”と語る農家。
・抗生物質をバンバン使い、育てられる食物。それに汚染される農家。
・コーンが、多くの工業食品の原材料になっている事は知ってはいたが、それがカロリー過多の要因となり、1/3のアメリカ人が糖尿病であるという事実。
・O-157が起こった原因である、牛ひき肉の粗悪な大量生産システム。
・今作で、社名が出る会社は皆、取材拒否。食料品工場内を隠し撮りしたカメラが映し出した恐ろしい光景。
<今作から学ぶことは多い。
エンドロールで流れるように”スーパ―に行ったら、旬のモノを買う。(美味くて、安いよね。)出来るだけ、有機農法で作られた食材を買う。
合成製品は、買わない、食べない。
有機農産物は、ややお高いけれど一人一人の行動が、巨大企業の寡占が進む食品業界の仕組み(遺伝子組み換え食品・・)を変えるのだなあ、と今更ながらに思った作品である。>
SDGsって大事なんだな、、
今まで特に深く考えたことなかったですが、
どんな食品を買うか、食べるかってものすごく重要なことなんだなと
感じました。
安い食品には安いなりの理由がある。。
工業化された農業の件は普段あまり表に出てこない話ですし
現実を突きつけられた気分です。
企業の経営者からしたら合理的なんでしょうけど。
それと、まるで物のように扱われる鶏やひよこ達、、
命に感謝ですね。
計り知れない恐怖
数年前にDVDを買ったけど見なかった。最近
自分が癌の前段階と診断を受けて、Amazonプライムでこのフード・インクが目に入り思わず見てしまう。癌の前段階と言われてからは、地産地消に拘って、加工品じゃなく自然の物を買っていたけど、どうしてもっと早くこの映画を見なかったんだろうと、悔やまれてならない。木村拓哉様も鑑賞された事があるのだろうか?!無いのなら、鑑賞された方が良いと真剣に思わずにはいられない。アメリカやマックを非難するつもりは全く無いが、消費者が目覚めなければ明るい未来はやって来ない気がする‼️世界を動かす程の影響力のある人も、そうでない人も、一日も早く鑑賞した方が良いと思います。手遅れにならないうちに…。
オーガニックな社会になるように…
消費者ひとりひとりが意識して生活しなければならないことを
感じた作品。
普段は気にしていない、スーパーに並ぶ前の食材のことも
もちろんそれを作っている生産者の人たちも。
この作品を通して、最終的に
「私はオーガニックを選ぶぞ」
と思ったのは、正直に言えばやはり被害者がいるからだと思う。
これは、人々のみならず動物たちにも言えること。
何かが傷つく時に、人は”変わろう”と思うのかもしれない。
そういう意味でこの作品は人々の両親に訴えかけることに成功している。
食べ物の元を辿った先に見えるものとは
より早く、より多く効率的に収穫するために、アメリカの農業、畜産業は一握りの企業が支配し、工業化していった。
アメリカの衝撃的な食事情。野菜買うより安いからファストフード食べる。日本ではそういうことはあまりない?かもしれないけど、安さばかりに目を引かれ、安全性にあまり関心がないのなんかは同じことが言えるのではないかなと思った。
公開時期と比べ、最近は、有機野菜、遺伝子組み換え食品なのかどうか安全性を意識する機会は増えてるのかなぁと思っている。
悪の根源みたいに扱われていたマックも安全性、信頼性を積極的にアピールしているし。
もっと観てもらうべき
中国の農産物と並んで、アメリカのコーンや牛肉ついての危険性については前から知っていたので、改めて恐ろしさを実感した。
コロナのお陰?で、TPPの話もどこかにいってしまったかのようだけど、利益ばかりを追求して安全性を蔑ろにする今のアメリカのやり方で育った牛肉とかがどんどん日本に入ってくるようになるのが怖い。
こんなことを続けていたらいつか人はしっぺ返しを食らうと思う。
でもアメリカにも警鐘を鳴らす農家さん達がいることを知ってホッとした。
牛はコーンを食べない。
これは大事なことである。
取材受入にも勇気が要っただろう
こんな映画がまだ世に出てくるだけ良いのだろう。監督、登場する人々、みんな勇気を出して出てきたのだと思う。
多くは出れない人ばかりではないだろうか。協定や契約でがんじがらめ、借金、設備投資で抜けたくて抜けられないシステムが作られているようだ。大企業を動かす力、それは消費者の毎日の努力、選択する権利を行使することだ。
映画を作ってくれた人達に心から感謝をしたい。
目先の効率・利益至上主義
我々が口にする”食”に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画
アメリカの大企業がどう人々の食卓を支配し、また彼らの持つ効率・利益至上主義がどう農家を覆い尽くし搾取するのかが分かります。
映画公開は2008年と10年以上前ですがこの現実は今も続きアメリカだけのことではなく世界中のことに、また食品企業だけでなく他の分野の大企業についても同じことが言える、進行形で起きているのではないでしょうか。
目先のことではなく長期的な視点で考える力って大事です。そしてその大事と思う気持ちだけではなくそこから一歩踏み出し行動に移す人たちの思いとリアルが詰まった映画です。
食料以外にも通じる現代社会メカニズム
個人農業は淘汰され、大企業だけが儲かる仕組みを作られた農業社会の話し。
農業だけではなく、あらゆる業種でこのような事が起きている。
利益を求めた結果、ツケが回るのは下請けと一般庶民であることがよく分かる。
一口ごとの真面目がたくさん集まれば…
2008年の作品なので、データは少し古いのかも知れませんが、観て良かった、知って良かったです。
最大手企業名が次々、アメリカの食品産業の裏側に隠された商業主義一辺倒な実態にあぜんです、想像をはるかに超えていました。
中でも遺伝子組換え種子の話が興味深かったです。安全性とはまた違う視点からの知識でした。
カネ、カネ…まったく。
考える良い機会になりました。どの食品を選ぶかは自分で決めたいから、表示は正直にキチンとして欲しい。
一口ごとの小さい真面目さがたくさん集まれば、もしかしたら何かを変えられる、そういう希望も感じました。
ところでもう一回観たいかというと…。けっこうゲンナリさせられますしね。
食生活、変えたくなります
とても考えさせられる映画。
自分の食生活、自分の価値観を自問自答しながら見られる良作。
ドキュメンタリーの割にテンポもよいし、説教臭さも少ない。
アメリカのドライな、商業主義丸出しな、人間にみじんも配慮していない、超効率主義的な面を強く感じるが、これはもはや全世界の問題であり、現在の日本の食生活も当然その中に組み込まれている。
これが食の「グローバルスタンダード」なのだと思うと、泣けてくる。
自分の体が心配になってくる。
オーガニック食品の話など、説明不足であり、少し腑に落ちないところともあったが、それだけではこの映画の価値はほとんど下がらない。
日本のTPP参加について考えるにも良い。
食を安全・危険という二元論だけで捉えたドキュメンタリーではない
『フード・インク』は食を安全・危険という二元論だけで捉えたドキュメンタリーではない。
もちろん、添加物や農薬よる健康被害・環境破壊は深刻です。
しかし、それ以上に巨大企業の効率至上主義が招く、
異常な社会構造に警鐘を鳴らしています。
米国の食事情を採り上げていますが、
こう云った問題は私たちが住む日本にも、
そのまんまあてはまる部分が多いと感じます。
"知らない間に大きなシステムに組み込まれてしまった私たちが、
今、本当に食べたいものは何か?"語りかけてきます。
私は、今日から一口ごとに世界を変えるつもりで食事をしようと思いました。
シーシェパードの皆さんにも 観てほしい
ちょっと前に 知人からDVDを借りて観ました。 衝撃でした。。 食べ物の安全性について 改めて考えさせられましたし、自分自身が この便利な・物のあふれた世の中に依存していることにも 気づかされました。
私は 『ザ・コーヴ』を観ていませんので、作品に関してコメントしませんが 『フード・インク』も オスカーに値する作品だと思います。
先日、「太地町でのイルカ漁をめぐって シーシェパード側との意見交換会が行われた」 というニュースを見ました。 この時のシーシェパード代表の発言を聞いて 「この映画も観てほしいわ…」と つよく感じました。 イルカ漁についても明言はしませんが、“生き物を守る”ということで発言や行動を起こすなら 世界中で起こっていることをもっと知るべきだと思いました。
【食物連鎖】を考えれば、世界中の人がベジタリアンになるのは 不可能な気もしますが、“大地から(または海から)の恵み”として動物の肉を食する時、その命を奪っていることも・その命に感謝することも 忘れてはならない。 このことを踏まえて『フード・インク』を観ると、悲しみも通り越して 恐ろしくなります。 そして これが現実です。 金もうけ、消費者のニーズと理由づけして 農場では大変なことが行われている。 それを口にしているのは 私たち。 そして体への影響、更には死に至った事例までを 淡々と映し続ける。 これを「アメリカで起こってることだから…」と 他人事に思わずに、しっかり受け止めて考えなければ いづれ我が身にも襲いかかるかもしれない 身近な問題です。
ぜひ いろんな方に観てもらいたいですし、そのまま続編を作ってもらって 【食の安全】に警鐘を鳴らし続けてほしいです。
全17件を表示