「新年を祝うのは、嫌いだ。」人生万歳! shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
新年を祝うのは、嫌いだ。
クリックして本文を読む
映画「人生万歳!」(ウッディ・アレン監督)から。
すっかり頑固な偏屈老人となってしまった、
ノーベル賞候補にもなった、元天才物理学者のボリスが主人公。
その主人公の口から、機関銃のように発せられる台詞は、
建前抜きの本音が語られていて、ウッディ・アレン監督らしい。
「残念だが、人間は『失敗した種』だ」から始まり、
「愛は、人々が言うようなものではない。
愛は、全てに勝たないし、永遠でもない」なんて言葉まで。
その中で私が気になったのは「新年を祝うのは、嫌いだ。」
続けて「誰もが必死で楽しもうと、無理やり祝ってる」と言う。
悲しい気持ちで新年を迎えたい人もいるし、
大騒ぎをせず、静かに過ごしたい人もいるはずなのに、
新年くらいは楽しく迎えるべきだ、みたいな風潮が嫌だ、と
はっきりと口にする。
上手く言えないが、なんだかスッキリした感覚になった。
そして、作品の根底に流れているかのような台詞、
「あらゆる幸せは、全てつかの間だ。
だから、うまくいくなら『何でもあり』だ」が印象的だった。
ウッディ・アレン監督らしい、ハッピィエンド作品は、
いつも、人生の楽しみ方を教えてくれる。
コメントする