「ゴージャスがセクシーだとは限らない」BUTTERFLISTA すべては、愛の行為。 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴージャスがセクシーだとは限らない
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世界を股に駆けたゴージャスセレブ・叶恭子が妹の美香とお気に入りのGUY達を従え、メガホンを取った監督デビュー作品。
「本当の愛とは目に見えない心の中から感じるエクスタシー」をコンセプトに、独自の美学で濃厚なるセックス論を展開していく。
姉・恭子はレズビアンセックスに、
妹・美香は拘束SMに挑戦。
新たなエロスの扉を開拓する姿勢は興味深かった。
しかし、刺激的な映像美を魅せつける反面、高らかに掲げるセックスには人と人との交わる温度が一貫して存在が皆無である。
人間扱いしてくれていない気がする。
お姉様の貫禄に圧倒されたのか、GUY達が遠慮がちに愛撫していたのが印象的だった。
その冷たい感覚は妹・美香にも同様で、ラストに彼女を延々と着せ替え人形に見立てる章は、お姉様の血も涙もない非情な価値観の象徴とも思える。
途中からお姉様の顔がウルトラマンに出てきた三面怪獣ダダに見えて仕方なかった。
エロスの興奮度では今作より叶美香のファースト・ヘアヌード写真集の方が断然クオリティは高い。
要は、面白くも何ともないのである。
では最後に短歌を一首
『薔薇集う 野生の蜜を 舐めつくす 紅く滴る 蝶の舌かな』
by全竜
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