「人の夢を見るヒト」機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人の夢を見るヒト

2024年4月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

 シャアの本名は、キャスバル・ダイクン。お父さんはジオン・ダイクン。ジオン父さん曰く、ヒトは宇宙(そら)で暮らすことで、進化する。だから、地球連邦政府の言いなりになる必要はないと唱えます。天然資源が枯渇している地球政府が、認めるわけありません。ジオン父さんは、ある日突然、急死。ジオン独立戦争となります。
 これが、ガンダムの源流(オリジン)となります。
 私にとっても、ね…。

 この映画のラストに、凄く大きな意味があるのは、幼かった私に分かるわけもなく、後々、解説本で知ることになります。
 先日、「道」と云う、古い映画を観ました。およそ70年前の映画。ヒトって、今も昔も、変わんね-なーと思いました。同じところで、コケてる。きっと、宇宙世紀も…。何とかしたいけど、治す方法を、誰も知らない。仕方ないから、映画でも創る。映画でも観る。カメラは止まらない。いや、だからこそ、カメラを止めるな。そのカメラは、ずいぶん進歩しました。スマホでも、撮れるくらいにね。でも、ヒトは進化しました?。ヒトは、分かり合えてるの?。
 ガンダムの世界に、ミノフスキー粒子なるものがあります。これ撒き散らすと、通信障害発生。スマホも、ドローンも、レーザー誘導ミサイルも、遠隔操作できません。それでもヒトは、解り合うことより、モビルスーツ組み立てて、争い合うことを選ぶ。それが私達の望む、すばらしき世界なの?。
 「ハンナ・アーレント」と云う映画。ヒトは同調圧力の中で、思考停止。人殺しでも、何でもするそうです。「エクスペリメント」も、そうだったな。かつての被害者も、今はすっかり加害者。一瞬で、入れ替わる。偶然で、入れ替わる。転生したら、スライムなのか、ジオン兵か、連邦兵か、わかったものじゃない。だから思考を止めるな。
 世界は、決して穏便ではありません。ガンダムは完成していません。私達の進む先に、どんな同調圧力があると思います?。

 この映画のラスト、通信不能エリアで、アムロの仲間は、アムロのメッセージを直感で理解します。その後、カツ、レツ、キッカの3人が突如、喋り出します。行方不明のアムロに話かけます。そう、アムロには、分かったんです。帰る場所があったんです。別に超能力って訳じゃない。それに、ヒトの革新は、アムロだけのものでもない。スマホなくても、ガンダム壊れても構いません。だって本当に必要なものは…。

 ヒトは、分かり合えると思いますか?。
 ヒトに、革新の余地があると思いますか?。
 誰も、1人では生きられないのだから…。

機動戦士・チャングム