「戦争においては自分にできることをするしかなくなるというシンプルな答えに感動」機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 eigazukiさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争においては自分にできることをするしかなくなるというシンプルな答えに感動
巨大なロボット兵器が活躍する1981年公開のSF戦争アニメ映画。地球連邦軍所属の最新型宇宙戦艦「ホワイトベース」は戦争難民の子供たちを救出し南米大陸アマゾン川流域にある地球連邦軍の基地「ジャブロー」へと向かっていた。だが道中のホワイトベースにジオン軍の強敵たちが次々と襲いかかる。はたして子供たちを乗せたホワイトベースはジャブローへと無事にたどり着けるのだろうか。
点数:4.5。お勧めします。ガンダム劇場版3部作の中ではいちばんお勧めします。ホワイトベースの子供たちが戦争の現実をリアルなものとして体験し戦争とはどういうものかうわべではなく真に理解する本作はガンダムの劇場版3部作の中でもっとも完成度が高い。
本作の内容はアムロ・レイ、カイ・シデン、セイラ・マスなどの主要キャラクターがそれぞれマチルダ・アジャン、ウッディ大尉、ミハル・ラトキエ、ランバ・ラルなどの親しい人物の戦死を目の当たりにして戦争を知る。戦争を知った彼らは現実を受け止め、今やらなければならないことは今できることをするしかないと悟る。この場合では彼らは生き残るために戦うことを選択する。戦争では人が死ぬが、人が死ぬことはどうしようもできないし自分にできることをするしかない(本作では戦争を生き残ること)というシンプルな答えにいきつく本作のテーマに私はとても感動した。
本作のラストはとても美しい。宇宙空間へと上昇していく白いホワトベースの姿はまるで翼を広げて天にのぼる天使である。戦争で死んだり傷ついた者たちすべてを救済するかのような白いホワイトベースの姿を見て私は希望を感じ感動した。
視聴:液晶テレビ(有料配信アニメタイムズ) 初視聴日:数十年前(地上波テレビで見た) 視聴回数:数回