パラダイス・キス : インタビュー
「パラダイス・キス」は、自らの生き方に疑問を抱き、モデルの道を歩むことを決意する紫、そしてファッションに情熱を注ぐジョージら服飾専門学校の仲間も、挫折を経験しながら自ら歩む道を見出していく青春映画でもある。
「ファッションという見せ場はありますが、外見的なものだけじゃなくて、やりたいこととか夢や目標を持った若い人たちが、壁にぶつかったときに何を考えるかが人によって違うと思うんです。ジョージは挫折する側でしたけど、そこからまだ人生は続くので、その時に何を考えたのかっていうのを見てもらって、人それぞれに何かを感じてもらえたら」
向井自身の青春時代について尋ねると、「本質的な部分は高校生から変わっていない」という。「サッカー部だったんですけど、部活で得たものは大きいですね。今でも鮮明に思い出すことができるくらいいい経験ができました。先輩の行動や、同級生の仲間と過ごした時間は、今の自分に影響を与えていると思います。1つのチームで何かをやるってことは、喜びはその人数分、倍になると思うので、1人で笑うよりもチームで笑いたいですね」
芸能界入りする前には、バーテンダーも経験している向井。「自分で店をやっていたことがあって、かなり売り上げを上げたことがありました」と明かし、商売繁盛の秘訣については「企業秘密です(笑)。経験です、何年もやっていたので」といたずらっぽく笑いながら答える。
「考えてみると、今の仕事とは直結していないサッカー部や飲食店だったり、これまでに積み重なった経験が生きています。それはひとつひとつ、目先のことを本気で全力で取り組んだからなんだという実感があります。とにかく目の前にあるものをしっかりやるっていうことが次につながっていくものだと思っているので、後悔しないためにも今はとにかく1つ1つを、ちゃんと頭使って、体使ってやっていこうと思っています」
近年はドラマ、映画、舞台と多方面で引っ張りだこだ。昨年の流行語大賞にも選ばれたNHK連続テレビ小説に引き続き、現在は大河ドラマの撮影が進行している。「これで飯食っていますし、親に仕送りできるのもこの仕事のおかげ。とにかく今は、1つの作品の中でどれだけ全力でやれるかってことですね」控えめながら力強く語り、俳優としての更なる飛躍に意欲を見せた。