デザートフラワーのレビュー・感想・評価
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衝撃的な内容。そして今も現実に行われている慣習。
自宅で何の知識もなくジャケ買いみたいなゆるい気分で選択。だがしかし、衝撃的で想像を絶する内容でした。世界の何処かでこんな非生産的で非人道的な悪慣習が、今だに行われているという現実。しかも幼い少女が命を落とすこともあるなんて信じられない。男女差別だし、幼児虐待にあたるし、結局宗教も関係無いんじゃん。誰が始めたのか、酷い慣習だし、何のためにと、考えてたら胸が苦しくなりました。世界平和も祈りたいけどまずこの悪慣習は無くなって欲しい。
これが、アフリカのリアル。
非常に、辛くて苦しい作品ですが、受け止めなくてはならない事実です。 FGMと略される女子の割礼、つまりは性器切除という慣例…。 いまやほとんどの人がスマホを持ち、贅沢な食事を口にしている中、 いまだ餓死で亡くなる子供やラクダ5頭と引き換えに60歳過ぎの男性の第四夫人にさせられるとか、 もう、どこかで次元が歪んでいるのではないかと思うくらい。 そう、彼女はたまたま運が良かった。 美しい容姿だった。 砂漠を何日もかけて無飲無食で歩ける気力と体力があった。 たまたまロンドンへの道がつながった。 しかし彼女こそ、自分を曝け出して訴えなくてはならなかった。 それがどんなに苦しく辛かっただろうと思うと、とても胸が痛い。 劇中のマリリンの存在に癒される。 どうか、お願いだから彼女を裏切らないでと願う自分がいた。 (シナリオパターンでは裏切る説濃厚だからw) 男性も女性も、 どうか股間を抑えながらwこれがアフリカのリアルだと、 目に刻んだほうがいいかもしれない。
記憶から消せない強烈なテーマ
こんな目にあったことないし、詳細は知らないけど、その恐怖と悲しみと不条理に圧倒されました。 隠れてるだけで、今も何処で何してるか…方向は違っても日本だって分かんないよ?これはつい最近見たアメドラにも当事者がいた。 終わらせるつもりない?伝統だから? 命懸けで声を上げる重い十字架背負ってしまう人は強いからじゃないでしょ? ずっとケアしてあげないと、潰れてしまいそうで切なかった。
メッセージて大事だとは思うんですけど
幼稚な表現になるが一言でいうと、かわいそ過ぎる、という。映画で、見てられない、ていう場面は久しぶりだった。 そのインパクトがあまりに強くて、鑑賞後はどうしても陰鬱な印象が強く残ってしまった。それだけではなくて、周囲の助けがありながらトップモデルとしてサクセスしていく楽しい面もあるのに。 ご本人監修ということで、やはり割礼という悪しき?習慣の伝播みたいなところを軸に持ってきたかったてことだろうか。 それを受け止める準備ができてない状態で果たしてこれちゃんと見れるだろうか。見る側の勝手ではるが、単純に貧しいアフリカの国から苦労してトップモデルに登り詰めたシンデレラストーリーを期待して気楽も気楽で臨んだわけです。そりゃ、消化不良にもなるわな。 ということで、作品として良いと思う反面、見る側の立場、客観性のところちょっと足りなかったような気が。メッセージて大事だとは思うんですけど。。
ワリス・ディリー
女の人なら涙が出てしまうでしょう。 彼女の受けた割礼を自分たちがもし受ける羽目になっていたとしたらということを考えただけで身の毛がよだつ。 女性は子供の頃に性器を切除され縫い付けられる。 そして、結婚する男性との初めての性行の時に縫いつけた部分を無理やり切るのだ。 もし、割礼を行わないと、将来結婚もできず、村八分にされる。 こんな嘘みたいなことが本当にまだ行われている国も多くある。その現実を知った時悲しさでいっぱいになった。 彼女の 「幼い頃、女に生まれたくなかったが、いまは自分に誇りを持てる」 という言葉に何度見ても涙してしまう。 彼女は自分のコンプレックスのせいでなかなか恋愛もできなかった。 女というだけで辛い目にあう。 こういったことが世界でまだ行われてると思うと同じ女として心が痛みます。 そんな辛い過去をもったトップモデルワリス・ディリーの波乱万丈な人生を描いている。 女性はもちろんだが男性こそ見て欲しいと思った
☆☆☆★ ※ 鑑賞直後のメモから 或る意味〝どんでん返し〟系。 ラ...
☆☆☆★ ※ 鑑賞直後のメモから 或る意味〝どんでん返し〟系。 ラスト10分で、それまで描いて来たのは一体なんだったのか?「嗚呼!そうゆう事を訴えたかったのか〜」…と。 2010年12月27日 新宿武蔵野館1
同じ女性としてショックです。
深い…深く考えさせられました…。 ソマリアの少女が、貧乏生活からトップモデルへ上り詰めて行く話だと思ったのですが、もっと深刻な深いメッシージが沢山込められた作品でした。 ソマリアで未だに続けられている「ファトゥマ」という儀式。 幼い頃に、女性器切除をされた女性たちが沢山いた事実に衝撃を受けました。 国連もこの事実を元に撤廃運動を行っていますが、伝統や文化の違いはなかなか変化を受け入れてはくれません…。 アフリカにいる1人でも多くの女性が、「女に生まれてよかった」と言えるような、苦しみのない人生を見出してくれることを願うばかりです。
人間の行為とはなんと愚かしいことか
たった数頭の家畜と引換えに歳のいった男に嫁に出されることになる少女・ワリス。それを拒み、ワリスは家を逃げ出し家族を捨てる。だが、彼女を待っていたのは広大な砂漠だった。 こういうシーンを見るたび、生きていくことのなんと過酷なことか、そう思ってしまう。生まれたら、余程のアクシデントがない限り成人するのが当たり前の社会では考えられないことが、地球のあちこちで起こっている。生きることに命懸けの体験を伴わずにすむ私たちは、それだけで幸せだ。 少女・ワリスが叔母が住む町に辿り着いただけでも奇跡だ。ましてや、叔母の配慮で家に戻されもせず、叔母の夫のつてでロンドンに渡れたのだから、たとえ片足にしかサンダルを履いていなくてもラッキーというしかない。 路上生活せざるをえない身にもなるが、後に親友となるマリリンと出会う。 マリリンはアパレル系の職に就いているが、ダンサーとして成功するのが夢で片っ端からオーディションを受けていた。 オーディションに落ちてばかりのマリリンだが、ワリスが高名な写真家にスカウトされても、モデルとしてめきめき売れっ子になっても、愚痴もこぼさず自分のことのように喜ぶ。 下宿の管理人といい、ワリスに関わる人達はいい人ばかりだ。 そのせいか、ワリスがモデルとして大成するまでのエピソードは簡略で、その内容も希薄だ。 ワリスを演じたリヤ・ケベデもモデルで、足りない部分を演技で補完するというのも難しかったのだろう。 などと思っていたら、この作品が訴求するテーマはまったく別のところにあった。 話が想像もしない方向に動き出す。単なるサクセスストーリーではなかったのだ。 ワリスの出身地であるソマリアでは、女子に対する割礼(女性器切除(FGM))の習慣があり、ワリスも3歳のとき割礼を受け、そのため肉体的にも精神的にも後遺症があるというのだ。割礼を受けない女は結婚できず、ずさんで不衛生な術技によって命を落とす幼女も多いという。現にワリスの姉も術後に亡くなっている。 結婚まで身を汚さないという男社会が生んだ愚かな習慣だ。 自身の体験を雑誌のインタビューで告白するシーンには、男の私でさえ涙が堪えきれない悲惨なものだ。 排尿や生理による激痛に堪えきれずにワリスは大きな病院に運ばれる。そのワリスのもとに、通訳として地元出身の若い男性医師が呼ばれた。 だが、この医師は、主治医の処置に関する説明を通訳せず、母国語でワリスを激しく罵倒するのだ。「白人の前で股を開いたのか」「恥知らずが」「親が泣く」と。 仮にも英国に渡り、先進国の文化に触れ、高度な教養を身につけ、医者にまでなった者でさえこれなのだ。なんと愚かしいことか。 ワリスは、勇気ある告白を機に国連大使として世界のFGM廃止を訴える運動に力を注いでいる。
気高く、輝く
アフリカの遊牧民出身から、世界に名を轟かせるトップファッションモデルにまで上り詰めた「現代を生きるシンデレラ」、ワリス・ディリーの波乱に満ちた半生を、自身の監修のもとに丁寧に紡ぎ上げた作品。 物語を語る上で目立ってしまう演出の稚拙さ、そして余りに劇的に描かれていく主人公、ワリスの華麗なる転身の描き方は、伝記映画に少なからずつきまとう遠慮と敬意の、バランスの困難さ、そして、本人監修から生まれる若干の演出過剰からくるものであり、ここは目を瞑らざるを得ない。では、この作品は駄作か?いや、違う。その絶対的な欠点を補うに値する魅力が端々から溢れ出す。それは、本作でワリス役を演じたリヤ・ケベデ自身の逞しい成長である。 冷静に、冷徹に現実を見つめ、それでも前に、柔軟に、困難を乗り越えていく主人公を演じる中で、リア自身の純粋無垢な心、肢体は、役柄を超え、演出を超え、輝きを増していく。これは、演技なのか?彼女の持つ資質か?違う、成長である。可能性である。こんな喜びがあっていいのか。こんな自由な幸福があっていいのか。 ワリス・ディリーの華麗なるシンデレラストーリーと、逆境を力強く跳ね返していく物語と共に、演じた女優の健やかな成長物語を盛り込んだ贅沢な一本。 リア・ケベデ。映画を超え、虚構を超え、もっと気高く、輝け。その場限りの満足感を越えた未来への希望が、物語に満ちる。
「印象」欄の選択肢では語れない衝撃的、感動的映画
ストーリーが面白く、エンターテインメント作品としても充実していながら、しっかりとしたテーマが背後から浮かび上がってくる――ヨーロッパの映画はそんな作品が多いが、この作品も、いろいろな味を楽しませてくれた。 「VOGUE」など多くの一流ファッション誌の表紙を飾り、 数々のコレクションで活躍した世界的トップモデル、ワリス・ディリーのベストセラー自伝本 「砂漠の女ディリー」(1999/草思社)をワリス本人の監修のもとで映画化した作品。 主人公ワリスを演じた現役トップモデルのリヤ・ケベデがとても魅力的だった。 ストーリーは、ソマリアの遊牧民家庭に生まれ、裸足で大地を駆け回っていた少女が、砂漠を飛び出し、大都会ロンドンで世界的トップモデルへと転身を遂げていくという楽しい実話。アメリカ映画ならこれで終わるところだが、最後に衝撃の過去が明らかになる。 ラストは高級ファッション誌の記者と観客が一体化する。まさか…。声が出ない。 女性には特に見てほしい映画。
チャラチャラはしてない
12/16 試写会にて観賞 80,90年代を代表するトップモデルさんの自伝を映画化したそうです。 …と聞いただけだとチャラチャラしてる感じがして何とも気が乗らなかった試写会でしたが、 この映画の本当に伝えたい事を最後のチャプターに詰め込んであるので、途中で眠くなるほどの退屈感はなく、最後まですんなり観る事ができました。 と、いっても明らか間伸ばし的なシーンもあり、もう少し短くできるだろう?とも思います。 自分はボンクラな独身男性ですが、最後のシーンを観て目から出てくるものを止めることができませんでした。 これはむしろ男が観るべき映画かもしれません。
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