「子どもって説明する言葉を持ってないだけで・・」うさぎドロップ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもって説明する言葉を持ってないだけで・・
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映画「うさぎドロップ」(SABU監督)から。
何かの縁で、小さい子どもを若い青年がひとりで必死に育てる、
そんな作品設定は、洋画・邦画を問わず、今までに何度もあったし、
たぶん、これからも同じような設定で生まれることだろう。
しかし、松山ケンイチさん・芦田愛菜さんのコンビは、
私の心を、予想以上に揺さぶった、と言ってもいい。
勢いだけで突っ走る青年の「強情」は、時に「不器用」だけが目立ち、
他人の意見を受け入れない、そんな姿勢・態度になるものだが、
今回は、他人に相談したり、同じ世代の意見を聞き入れることで、
子育てのヒントを掴んでいく。
それまでとはあまりに違う生活に悩み、職場の女性に訊ねる。
「お子さんのことで、自分が犠牲になってるって思ったことありますか?」
しばらくして、彼女がボソッと呟く。「子どもの時間も自分の時間だから」
こんな会話のひとつにも、妙に納得して感心していたら、
「なに? 私、今いいこと言った?」と訊かれ「はい、言いました」と彼。
印象的なシーンである。
さらに、家族のために荷物の集配作業をしている若い父親たちが、
子どもの心について語るシーンは、私のメモが止まらなかった。
「子どもって言葉選んで丁寧に話せば伝わるし、
それで、けっこう難しいこと考えてんだよなぁ」とか
「子どもって説明する言葉を持ってないだけで、
心の中はもう随分複雑になってんだよなぁ」という台詞は、
子育てが終わった私にとって、胸が締め付けられた。
今の若い人たちの子育て、応援したくなった作品である。
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