「ベタだけどほのぼの楽しい」うさぎドロップ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ベタだけどほのぼの楽しい
隠し子が父親のではなく祖父のというところがミソ。祖父の隠し子となると、話がハナから暗くならない。むしろ笑える。
育児の経験がない若い男が、不器用ながらも幼児を必死に育てようと奔走するというベタな内容だが、たまにはこんな映画もいいものだ。
それと、松山ケンイチという俳優、全作品を観たいというほどではないが、時々観たくなる役者のひとりだ。演じる役に幅があって楽しい。コミックが原作でもマンガチックにならず、それでいて笑いのツボを押さえた演技は懐が深いというか上手い。
りんを演じる芦田愛菜は先がコワイ。すでに眼差しに色気が備わっている。回りの大人が喰われている。
そんな大人の中、風吹ジュンと中村梅雀はさすがに余裕でいい味を出している。「GANTZ Perfect Answe」でも松山ケンイチと共演した綾野剛のアヤしさもいい。
なんだかんだ言いながら、兄貴ダイキチにぶっきらぼうな助け船を出す妹・カズミ。そこにシングル・マザーのゆかりや職場の仲間の協力もあって、ひとりでは無理だけど皆が助けてくれる、人情あり、笑いあり、涙あり、恋の芽生えあり・・・やっぱベタだなー。(笑)
でも、ほのぼのとして楽しかったよ。
そしてこの映画、まさかのスコープ・サイズだ。スペクタクル映画でもないし、派手なアクションもない作品だが、横長のサイズが無駄なく使われている。それもさりげなくだ。SABUという監督、根っからの映画人に違いない。
コメントする