「エンドロールでやられた」毎日かあさん マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロールでやられた
小さい子供が複数いる家庭はさながら戦場のようだ。そこに炊事だの洗濯や掃除といった家事が加わり、それだけで重労働で、さらに金銭的なやり繰りもある。それでも主人公のサイバラはまだ恵まれている。手に職があり、しかも在宅で仕事ができる。アルコール中毒の夫を持つハンディはあるが、生活に困ることはなさそうだ。だからか、切羽詰まったところがなく映画としてのドラマティックさに欠ける。
ただ、子供たちがかわいい。いまどき珍しくやんちゃだ。そのやんちゃを父親も母親も笑って見過ごす。そして大事なところは、やんちゃと自由奔放を混同せず、人として、してはいけないことをきちんと教えている。この家族には愛がある。
今日は日曜ということもあって、子供連れの観客が多かった。少し騒がしかったが、小さい子たちがこういう映画を観る機会を得ることはいいことだ。
ある家庭の日々を切り取っただけの構成で少しかったるいところもあったが、エンドロールで流れる木村充揮の主題歌『ケサラ~CHE SARA~』と、永瀬正敏本人が撮影したスナップ写真が家族の温かさを豊かに醸し出して、それなりにうまくまとめられてしまった。
*おまけ
作品中にビールや発泡酒がよく出てくるが、日本の主要メーカーの製品がオールキャストで登場する。さすがにアルコール中毒の患者に特定の銘柄を飲ませるわけにはいかなかったのだろう。だいいち、どこもスポンサーにはならんわなー。ママさんたちが集まって楽しく飲む光景は酒造メーカーへの配慮か?
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