「まだまだ先は長い。。」手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
まだまだ先は長い。。
観ようかどうしようか、かな~り迷って^^;こんなに遅くなってしまった。
でも手塚治虫の、というだけあって上映期間が長い!そして年配層も多い。
原作を知らないので思い入れはなかったが、鑑賞前に劇場にある小冊子を
読んでみたらこれが面白い!(そりゃ手塚センセの漫画ですから当たり前?)
チャプラ(もともと架空の人物らしい)が成り上がるまでのいきさつ云々が、
躍動感のある絵で描かれていた。本作の絵と手塚治虫の絵はだいぶ違う、
今の技術であの躍動感ある動きをどう表現するのかと期待して観てみたが…
絵はキレイだったと思う。似ている似てないは論外。^^;
そして内容は実に壮大。。とはいえまだ第一部の始まりにすぎないため、
まだまだ長いこの後の旅路が気になるところ…いや、、それにしてもブッダと
なるシッダールタよりも、チャプラの人生の方がよりドラマチックで泣ける。
原作でもシッダールタが誕生するまでしばらくチャプラが活躍するんだそうだ。
このチャプラとタッタの身分の低い(スードラの)悲惨な生活、母は売り飛ばされ、
息子は盗みをしなければ生きていけない。同じ身分の者同士、頭を働かせて、
母親奪還には成功するものの、チャプラには更に尊大な計画が持ち上がる。。
これはある意味、運命だったのだろうが…いつかスードラの身分から抜け出し、
母やタッタと幸せに暮らせる日を夢見て…チャプラはある賭けに出るのである。
そしてそれは成功するのだったが…
のちに生まれるシッダールタとの戦闘シーン、一瞬だけ視線を交わした二人。
すでに後光?に照らし出されるシッダールタを見て、チャプラは何を思ったか。
闘って強くなり人々の羨望を浴びて地位を得る。だけどそれは元々の身分を
隠しての出世であり、そうでもしなければ脚光を浴びることもなかったチャプラ。
のちの国王として生まれたシッダールタとは雲泥の身分であるはずなのに、
何もかも恵まれた(でも身体は弱いらしい)シッダールタの方が辛く見えてしまう。
生き物を愛し、身分差を越えて恋に落ちた彼に、国王の決めた罰は重かった。。
人間の幸せはどこにあるんだろうと(だから悟りなさい。ってことなのかしら^^;)
一概に言えるものではないと改めて感じられるストーリーである。物語はいい。
さて、大方の感想に声優が酷い。というのがあって^^;
実はそっちも少し楽しみに観に行ったのだけど(オイ!)いや~、あの国王ね^^;
かなり凄いヒトですが(シテ方観世流能楽師)どちらかというとナレーション向き。
そのあたりは吉永小百合さまとどっこいどっこいですかね~。(液晶、アク○ス)
とにかく一本調子で抑揚がない。商品説明してるような、旅の解説してるような。
お二人ともお声はいいんですけどね~^^;どうも声優ってなると難しいですねぇ。
堺くん吉岡くんに混ざって、しっかりと玄人声優陣が場を仕切っていたところ、
せっかく壮大な物語なんだから、やはり聞き応えのある声をあてて欲しいですね。
そのあたりは気になったんだけど、最後までググーッと観入ってしまいました。
しかしあと二部かぁ…先は長い^^;
(ってことはブッダはずっと吉岡くんが?ゲストで五郎さんは出る?出ないって!)