劇場公開日 2011年10月15日

「映画としてのテーマと人間ドラマもちゃんと描けてる…最後は泣けた。」電人ザボーガー aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画としてのテーマと人間ドラマもちゃんと描けてる…最後は泣けた。

2011年10月15日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

1974年放映、ロボットの顔をしたバイクが変形する特撮テレビドラマ。
エヴァの制作にも関わった大月俊倫が、「片腕マシンガール」などの井口昇監督を起用して37年ぶりに映像化した。
ウルトラマン、仮面ライダーと過去の人気特撮ドラマを現代に蘇らせたものもあるが、演出や音楽までもオリジナルをこれだけ忠実に再現したものはなかった。

第一部青年編の主演を昔のDVDを見て演技の参考にしたという古原靖久が、気合いの入ったお馴染みの絶叫で熱血漢大門を演じ、他の作品でも活躍してて特撮女優といってもいい山崎真実が、冷酷さと秘めた感情を持つ敵方の女サイボーグを熱演してる。
昔ながらのチープな作りの着ぐるみロボットに最新のCG技術を合わせた映像は、妙にリアルさもある。
子供にわかりやすい愛と正義に大人の男としての信念と責務、その狭間で葛藤するのは大門だけでなく命令には忠実だったはずのザボーガーも…。
ギャグ的なコミカルさの中に映画としてのテーマと人間ドラマもちゃんと描けてる。
第二部熟年編では、すべてを失い惨めに生きる47歳の大門を板尾創路が演じる。
強大となった悪のサイボーグ組織シグマの最終的な野望の前に、大門は再び熱い心を取り戻し、新しい絆をつくることができるのか。笑って最後は泣けた。
上映館は少ないですが、DVDが出たらお薦め。

aotokage