劇場公開日 2011年1月8日

「良くも悪くも悪趣味で悪ノリ」スプライス luna33さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良くも悪くも悪趣味で悪ノリ

2024年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

この作品はいわゆるB級カルトムービー的な立ち位置になると思うが、カルトと言うよりも悪趣味な悪ノリ映画という印象だ。それなりに面白かったが低評価を付ける人の気持ちもよく分かる(笑)

とにかく主役のエルザがクソ過ぎて呆れてしまう。研究者としての倫理観も何もあったものではない。ただ彼女自身の生い立ちにもどうやら色々あったらしいのを何となく匂わせるものの、なぜかその重要な部分をそれ以上深掘りしない。だから彼女の暴走の真意が、研究者としての興味が倫理観を飛び越えてしまうという「よくある理由」で、それ以上の展開を見せないため物語に深みが生まれず、単なる胸糞研究者の理不尽なお話として終わってしまったのが実にもったいない。異種の性行為や生命誕生など歪んだ倫理観を表現するには、彼女の複雑な背景をもっと丁寧に描くべきだった。そこが抜け落ちたために「単なる胸糞映画」という評価になったのではないか。もし上手く感情移入出来ていれば、例えば「ローズマリーの赤ちゃん」のような傑作になっていたかも知れない。逆にこの嫌悪感と不快感こそが監督の狙いだとしたら、とても上手く行ったと言えるだろう。

luna33
すかちんさんのコメント
2024年11月14日

早速ご覧になったんですね。
丁寧な分析でなるほどです。
私も当時観てから
胸糞悪さしか残らなかったので
あらためて見直してみます。
予告編は良くできてますよね。

すかちん