「【”真実の愛は決して逃げる事は無い。”今作は、「ロミオとジュリエット」で有名な”ジュリエットの家”の壁に差し挟まれていた50年前の恋文が齎した奇跡の恋の成就の物語なのである。】」ジュリエットからの手紙 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”真実の愛は決して逃げる事は無い。”今作は、「ロミオとジュリエット」で有名な”ジュリエットの家”の壁に差し挟まれていた50年前の恋文が齎した奇跡の恋の成就の物語なのである。】
■ライター見習のソフィ(アマンダ・セイフライド)は、シェフ、チャーリー(クリストファー・イーガン)との結婚前にイタリア、ヴェローナへ行く。
チャーリーは新しい店の為のワインなどの下見に、ソフィは特に用は無く。
だが、ソフィは「ロミオとジュリエット」で有名な”ジュリエットの家”の壁に多数差し込まれている手紙を回収する女性達の姿を見ながら、壁を見ているとその中から古い手紙を見つける。それは、クレア・スミスと言う少女が”ロレンツォ・バルトリーニ”と言う男性に送った恋文だった。
”ジュリエットの家”の壁に差し込まれた手紙に返事を書く女性達に促されて、ソフィがその恋文に返信の手紙を書くと、ある日、イギリスから初老の美しく気品あるクレア・スミス(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)とその孫のチャーリー(クリストファー・イーガン)がやって来る。二人は、イギリスからソフィが書いた手紙を読んで、ロレンツォ・バルトリーニを探しに来たのだった。クレア・スミスは、ソフィをその旅に誘い3人でイタリア中の”ロレンツォ・バルトリーニ”を探しに出るのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・この物語は3組の恋人(元・未来含む)が登場する。
1.ライター見習のソフィと婚約者のシェフ、チャーリー
2.クレア・スミスと”ロレンツォ・バルトリーニ”
・・そして、最初は相性が悪いと思われたソフィとクレア・スミスの孫のチャーリーである。
・物語の展開がとても自然で素晴らしいと思った作品である。悪人が誰も居ないのに、作品には重みが有り、多幸感に溢れている事も良い。
・感慨深かったのは、そして”こんな夫婦になりたいものだな”と思ったのは、クレア・スミスを演じた名女優ヴァネッサ・レッドグレイヴと、漸く探し当てた本物の”ロレンツォ・バルトリーニ”を演じたフランコ・ネロである。ご存じの通り、お二人は本当のご夫婦であるし、私はフランコ・ネロがとても好きだからである。この名優は、マカロニ・ウエスタンで名を上げた方であるが、その後も数々の映画でどっしりとした存在感を放っている。男から見ても、顔つきがとても良いし、灰褐色の眼から放たれる眼光が時に鋭く、時に優しいからである。
・3人がイタリアを巡りながら、様々な”ロレンツォ・バルトリーニ”と出会うシーンも面白い。多くの男が”イタリアーン!”な男な所が良いのである。
■最初は反りが合わなかったソフィとチャーリーが、旅をする中で徐々に惹かれ合って行く様も良い。
一度はNYに戻ったソフィが、クレア・スミスと”ロレンツォ・バルトリーニ”からの結婚式招待状を貰い、チャーリーに別れを告げるシーンもキチンと描かれているので、観ている側は納得するのである。
そして、ソフィはチャーリーと再会し、少しソフィの誤解は有ったモノの、チャーリーはクレア・スミスの後押しもあり、「ロミオとジュリエット」で有名な”ジュリエットの家”の蔦を伝っての思いを告げるシーンも良い。
<今作は、「ロミオとジュリエット」で有名な”ジュリエットの家”の壁に差し挟まれていた50年前の恋文が齎した奇跡の恋の成就の物語なのである。
イタリアの美しい自然も趣の良き作品でもある。>