日輪の遺産のレビュー・感想・評価
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本作の主役は、ある意味19人の少女たちということになる。 かなりの...
本作の主役は、ある意味19人の少女たちということになる。
かなりの力仕事であるにもかかわらず、12,3歳の少女たちが駆り出され、詳細は知らされないまま作業にあたり、事情も分からないまま口封じのため毒殺される運命にあったとは。
少女たちが日本の未来のために自分から進んで死を受け入れる姿は泣くしかない。
オトナのおとぎ話…「もう一つの本土決戦?!」
2011年、角川映画。新田次郎原作。
終戦直前の日本。
「マレーの虎」山下奉文将軍が、フィリピンでマッカーサーが秘かに蓄財していた900億円の財貨を発見し、日本へ送る。
これを終戦までのわずかな時間のうちに、国庫から持ち出し、隠匿しようとする国家ぐるみの大作戦。
阿南惟幾(陸軍大臣)、杉山元(第一総軍司令官)、梅津美治郎(参謀総長)、森赳(近衛第1師団長)、田中静壱(東部軍司令官)など、
『日本のいちばん長い日』の主要キャストが一堂に会して、二人の将校(真柴少佐と小泉中尉)に極秘任務を与える。
このふたりに、運転手兼用心棒の望月曹長を加えたチームでこの難題に挑む。
小泉中尉は、死を決意した真柴少佐を諭す。
「我々はたった3人で、もうひとつの本土決戦をおこなうのです」
作業終了後には女子学生を殺せ、
という命令を破棄させるため、切腹真っ只中の阿波陸相を訪れる真柴少佐。
すべては、おとぎ話だと考えれば腹も立たない。
堺雅人、福士誠治、中村獅童、ユースケ・サンタマリア、土屋太鳳らが好演。
軍隊経験者のいない時代に作る戦時の映画。
なかなか難しいものだ、という☆2.5
終戦前、マッカーサーの財宝を祖国復興のため隠匿するという極秘任務。...
終戦前、マッカーサーの財宝を祖国復興のため隠匿するという極秘任務。
とても切ない結末。残される人たちも切ない。
ストーリーは良かったけど、はっきりと描かれていない部分もあるのでぼやけている感じがしてちょっと物足りない感じが残念だった。
堺雅人主演で映画化。昭和20年8月10日、帝国陸軍の真柴少佐は、陸...
堺雅人主演で映画化。昭和20年8月10日、帝国陸軍の真柴少佐は、陸軍が奪取した900億円ものマッカーサーの財宝を陸軍工場へ移送し隠匿(いんとく)せよと密命を受ける。その財宝は、敗戦を悟った軍上層部が祖国復興を託した軍資金だった。真柴は小泉中尉や望月曹長、そして勤労動員として呼集された20人の少女たちとともに任務を遂行するが……。
忘れまじ悲しい戦争の時代
最初は大人の出演者の配役が?と思ってしまいましたが、女学生の演技は心打ちます。素晴らしいです。
戦時中の悲しい出来事をつらつらと。 特段のSFXや兵器が出るわけでは無いですが、戦時中の臨場感はよく出ています。
最初から最後まで食い入るようにして見てしまいました。
良い映画です。
真夏のオリオンより良い。
最後が泣かせポイントなので、それまでは流して見た方がいいです。
浅田次郎さんの小説はほとんど読んでおらず、この映画の原作も読んでいませんが、今まで映画化されたものを見た感じでは、どこかで見たような話をうまく組み合わせてストーリーを作っているものが多いような気がします。
この映画もそんな感じだったけど、組み立てに失敗したのか、うまく加工しようとして、テクニックに走りすぎたのか、それとも演出上の都合(少女の演技力?)なのか、泣かせるポイントが自分の予想とずれていて、泣けませんでした。
自分としては、ここでくるだろうというポイントをスル―され、しかもスル―のしかたがとても不自然だったので、すごくひっかかりました。
当然このひっかかりを解消する、どんでん返し的なことが起こるのだろうと思っていたら、何も起こらず、そのまま終わってしまった。
たぶん最後が、泣かせる最大のポイントで、映画館に来ていた周りの人はほとんど泣いているようだったけど、私はここできてくれ、というポイントをはずされたので、泣けなかった。
全体的にかなり不自然なところがあり、テーマも特に強調しているところはなく、よくわからなかった。
本格派のリアル系映画というより、最後で泣かせることを目的とした映画だと思うので、細かいことは気にせず、ファンタジー映画のつもりで流して見る方がいいと思います。
ちなみに、エンドで元ちとせさんが歌っている宣伝の曲が流れるものと思っていたら、流れませんでした。
少女たちの運命に戦争の不条理を問う
昭和20年8月、真柴少佐は陸軍からある密命を受ける。陸軍が奪取したマッカーサーの財宝を隠匿せよ。価値にして900億、今後の日本再興となるべく資金。任務遂行の為に集められたのは、真柴を含む3人の軍人と、一人の教諭と20人の少女たち…。
浅田次郎の小説を、「半落ち」の佐々部清監督が映画化。
極秘任務に関わった軍人に堺雅人、中村獅童、福士誠治、少女たちの先生にユースケ・サンタマリア、この話を語る現代の老女に八千草薫…真摯な演技に心打たれる。
でも、この映画の真の主役は20人の少女だろう。
マッカーサーの遺産の移送・隠匿の任に集められた少女たち。
だが、少女たちには事実は伏せ、武器と偽る。
微塵も疑わず、日本の為と信じ、懸命に働く少女たち。
その健気な姿には、任務に関わった真柴ら周囲の大人でなくとも、感情移入してしまう。
真柴たちと少女たちの間に交流が生まれ、任務終了直前、真柴にある命令が下る。
教諭と少女たちに毒を盛り、口封じせよ。
真柴たちが取った行動は…。
この話が史実でなくて良かったと心底思った。
あまりに不条理過ぎる。
戦争の不条理…それが当時の日本では暗黙の了解だったのだろう。
しかし、それに抗い、少女たちの思いを守ろうと奮起し固く誓った真柴たちの心を信じたい。
僕はこういう戦時中の映画を見る度思う事は、今戦争映画を作る意義は反戦映画である事。
戦争映画はド派手な戦場シーンを描いて人気だが、正直そんなのは要らない。
本作でも派手な戦場シーンは一切登場しない。戦争に運命を翻弄された人々を通して、戦争の罪を問う。
この映画は有りだ。
なぜ少女たちは頑張れたのか
金額はともあれ、このような隠し財宝があったかどうかは分からないが、少女たちが身を粉にして勤労に励んだのは御国のためと思えばこそである。
この、御国のためというのは、戦争に勝つためという意味だったのだろうか。
たしかに戦時中はそうであったろう。だが、昭和20年8月10日といえば、軍の上層部だけでなく、多くの国民が敗戦を意識していてもおかしくない。
こうした状況の中で御国のためというのは、もはや戦争に勝つためではなく、日本の未来のためという思考の変化だ。国の未来のためにだったら、この身を粉にしても頑張らなくてはと、少女たちはそう思ったに違いない。
それに引き換え、軍の上層部は、未来のため、日本の復興のため財宝を隠匿することを思いついたのはいいが、この期に及んでまだ犠牲者を増やそうとする。特攻隊や人間魚雷、いったいどれだけ若い命を無駄にしたら気がすむのだろう。軍にとって御国のためは、いまだ目の前を取り繕うことしか頭になく、ほんとうの意味で未来を見据えていない。
これは3・11大震災の後の日本にも同じことが言える。
いま、日本は死に物狂いで復興を急がなければならない。GNP世界2位まで躍進した経済成長も、震災や新興国の台頭で力が落ちてしまった。原発の停止による電力不足や急激な円高等で、日本の生産業はガタガタだ。にも関わらず、政府からは未だ具体的かつ抜本的な政策が打ち出されていない。
これは国が国民ひとりひとりの生活水準を犠牲にして凌いでいるということだ。
震災からもうすぐ1年になろうとしている。腹をくくるのが国民であってはいけない。国の長(おさ)はそのためにこそある。
犠牲になった19人の少女たち......二度と悲劇は繰り返してはいけません....。
冒頭で赤鬼が「命令解除!」と妻に残して亡くなりました.....。
何のことか?ボケているのか?.....と、思っていたら.....
その真相が、妻によって語られました.....。
山下将軍が奪取したマッカサーの財宝を秘密裏に陸軍工場へ移送を行った20名の少女達とその教師......。
祖国のために、明るく一生懸命作業をする少女達に任務完了後非情な命令が......。
久枝ちゃん.....可愛かった....健気でした。
マッカーサーに立ち塞がるシーン.....素晴らしかった....。
他、19人の少女達.....無事任務を遂行し、体の汚れを落とし新しいシャツを配給され満面の笑顔......健気過ぎます.....。
最後に財宝を守る彼女等......玉音放送を聞いた彼女たち.....アメリカ軍から絶対に守るんだとういう意志なのか......泣けました......。
赤鬼曹長.....立派でした....カッコよかった.....
久枝ちゃんを守ったシーン.....涙が止まりませんでした。
中村獅童 嵌り役です。
小泉中尉.....マッカーサーに単身で直談判......。
「日本は、二度とパールハーバを奇襲しない.....しかし、経済大国になって再びアメリカ経済を席巻して見せる!」
.....かっこいいではないですか......。
真柴少佐.....少女達に下された非情な命令を解いてもらうために奔走......謎の伝令の男との一騎打ち.....見直しました!
梅津陸軍大将に面会することが叶なって、「幽窓無暦日」と書かれた紙切れを渡される.....
監獄の格子窓に月日はない。使命という 監獄の孤独にただ耐えよ.....という意味だそうで...
そんな時代だったのですね.......。
よく出来ています
浅田次郎の原作にほぼ忠実に展開されている。
原作を読んでいるとより良く理解出来ます。
浅田文学の世界は、現実と虚構の入りまじりが激しいので、
賛否両論だけど文章の上手さは確実に素晴らしい。
読みやすいのだ。
これを映像にするとどうなるか?
「日輪の遺産」は浅田が自分の文学の原点といっている。
5年かけただけの映像に仕上がっている。
いい映画だと思う。
よくできた映画だが…。
何と言っても20人の少女たちの笑顔がすばらしい。陸軍が奪取した900億円ものマッカーサーの財宝を陸軍工場へ移送し隠匿せよと密命を受けるというストーリーもスリルがあってよかった。十分、楽しませてくれる映画なのだが、そもそも原作の浅田次郎が伝えたかったことと今の日本との間にギャップがあって、なぜ今、映画化する必要があったのかという疑問が残った。
敗戦後の復興。ジャパンマネーがアメリカを席巻する。そんな時代もあったが、失われた10年が失われた20年と言い換えられ、政治の機能不全、戦後経済モデルの限界の露呈、少子高齢化への非対応、IT分野での劣勢などマイナスの要素ばかりが目立つ昨今のニッポン。
この映画を観て、だから頑張らねばとはまったく思えなかった私。映画の発したメッセージが伝わらなかった点が残念だった。
今の言葉で、次の世代にきちんと語り続けること
少女達は父母と近い年代、感慨深く鑑賞しました。
奇想天外なお話ですが、重荷を背負って生き抜いた方は私が思うより遥かに多いにちがいない、父もそうではなかったかと、とても身近に感じ心揺さぶられました。
少女達は生命の輝く様を好演でした。描き方は重苦しさはあまりなく、綺麗にまとまった印象でした。
エンドロールが流れた途端大声で「終わった!まったく、なんだ!」と、出ていかれた年配の男性がいてびっくりしました。ご自分の厳しい経験から違和感があったのかもしれません。
だけど、思ったのです、甘いと先輩に思われるかもしれないけど、それでも語り続けて欲しいと。今の人達が、今の言葉で、次の世代にきちんと伝言することに意味があると思います。
広島の被爆アオギリの語り部、沼田鈴子さんがこの夏87歳で亡くなりました。新藤兼人監督の引退宣言はご存知の通り。体験の無い戦後生まれに本格的に託され始めていると感じます。
平成を生きる人達に向けた、戦後世代からの伝言と強く感じた作品でした。
いつもの事ですが、ユースケ・サンタマリアが意外に良いです。
浅田次郎の同名の小説の映画化。著者本人が映画化を熱望してきたと言われており、ようやく、その願いが叶ったと言う事になります。
山下財宝なら知っていますし、有名ですが、マッカーサーの財宝って、M資金??? と言う感じになりますね。でも、マッカーサーが非常に裕福であったことは事実なので、それと絡めた話と考えて良いのだと思います。この辺りの設定は、フィクションなのですが、もちろん史実にも触れられていて、近衛師団所属の軍人で、しかも、終戦直前の話ということなので、8月14日の宮城事件の件にも触れられています。終戦前夜の騒動と言えば、阿南惟幾自殺も有ったのですが、この件についても触れられています。
まぁまぁ良い映画だと思います。劇中、思わずウルッとしそうなところもありました。ですが、ちょっと不思議な感覚が残ったのは事実。それは、主人公は誰?と言う事。映画の宣伝ポスターは、堺雅人、中村獅童、福士誠治の三人を中心に作られているので、この三人の誰かが主人公かといえば、・・・どうでしょうね? 間違いなくこの三人は、重要な役割を果たしているのですが、財宝を隠すという任務を果たしたら、それっきりフェードアウト感満々だし。う~ん、でもなぁ。話の作り上は、堺雅人が主人公で、物語の語り手が八千草薫と言う事でないとおかしいと思うんですけどね。
さて、演技の方ですが、出てくる度に言っているような気がしますが、ユースケ・サンタマリアがいい味出しています。普通のテレビに出てくる時のいい加減な感じではないです。
物語としては、日本のシーンと、アメリカのシーンのつながりが無いですね。逆に言うと、アメリカのシーンがなくても、この映画は成立しています。なんで、あのシーンが有るのでしょうか?
微妙に突っ込みどころ満載なのですが、中々、良い映画だとは思います。コピーか何かに、「今の日本に必要な作品」と言う事があったと思うんですが、「なるほど、そういう事ですか。」と思いました。
純粋に国を思う少女たちと比べて、軍上層部の大人たちがなんとだめで醜いのか
原作者の浅田次郎氏が思い入れのある作品という。
太平洋戦争の終戦直前、マッカーサーから奪い日本に移送された莫大な財宝。敗戦を予期した陸軍上層部は戦後日本の復興のために極秘裏に隠匿を策する。そのために選ばれたのは、三人の軍人と一人の教師に引率された20名の女子中学生たち。
トラックに乗せられた少女たちは、行き先が空襲のある立川や府中の飛行場ではなく、多摩の山林なのにほっとするのだが…。この任務を少女たちに委ねたのは、猜疑心がなく純真で秘密保持に好都合だったから。
近衛師団の中では腰抜けと揶揄される穏健派の真柴少佐(堺雅人)、大蔵省から軍の経理部に引き抜かれた小泉中尉(福士誠治)、前線で片足を負傷した運転手役の望月曹長(中村獅童)、教師の野口(ユースケ・サンタマリア)は憲兵に取り調べを受けたこともある平和主義者。
彼ら四人の大人たちに下で、きつい肉体労働ではあっても特殊任務のために白米やおやつまで支給されて、ここでは少しやさしい時が流れる。しかし、敗戦が決定的となって彼女たちの立場は暗転する。
純粋に国を思う少女たちと比べて、軍の上層部の大人たちがなんとだめで醜いのか。
終戦後と現代の部分が途中入るのだが、そこは原作と異なる。財宝の扱いについてはこれでいいのかとも思うし、不満なところもあった。
少女達がとても哀しい。
終戦間近の上層部からの密命に駆り出された少女達のひたむきさがあまりにも哀しい。
教師役のユースケ・サンタマリアも良い味だしてました。
民間人を巻き込んだ挙げ句、平気で切り捨てるような時代にただただ悲しくなった。
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