「素敵な事が始まる予感がいっぱい」赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
素敵な事が始まる予感がいっぱい
TVシリーズの6話までを高畑監督自身が編集した劇場版「アン」。
しかし公開に至らずお蔵入り、20年を経てやっと公開された作品です。
今はなきシネマ・アンジェリカでやっていました。
監督 高畑勲、画面構成 宮崎駿、キャラデ・作監 近藤喜文、美術 井岡雅宏という錚々たる顔ぶれです。
また編集のつなぎが見事で、一本の作品のような見事な仕上がりでした。
そして久しぶりに観たけど、本当にアンは素敵。
あの止めどないお喋りも魅力的なんです。これはアン役の山田栄子さんの声があってこそでしょう。
あの感情の振り幅は実に見事だと思います。
劇場版は長い物語の一番最初。ずっと孤独孤独を感じていたアンに、初めて居場所が見つかるまでが描かれています。
野良仕事を期待して男の子をもらうはずが来たのは女の子。
この行き違いには双方が絶望的な気持ちに。
でも段々とマリラの考えがアンに寄り添ってくるのが、見ていてすごい嬉しくなるんですよ。
そうした中、あの家に戻ってこれた時のアンの笑顔がまた素晴らしい。
これから新しい生活が、素敵な事が始まる。
そんな予感がいっぱいの作品でした。
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