「生きる」岳 ガク kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
生きる
まずは、小栗旬さん演じる、三歩の人間性に強く惹かれました。自らは辛い悲しい過去の山の記憶を持ちながら、努めて明るく前向きに山と山へ来る人たちを愛し、歓迎し、時に身の危険を顧みず助ける。彼のような人が目の前にいたらと思うと(笑)
それから、長澤まさみさんの新人救助隊員といい、脇を固める市毛良枝さん、佐々木蔵之助さん、渡部 篤郎さんら、登場人物一人ひとりの人物像もとても魅力的、お父さんを亡くしたナオタくんの円らな瞳、男めしの大きなおにぎりとセットになって、暫く忘れられそうにありません。
今作、雄大な日本アルプスの自然をバックに、私のような山をよく知らない人から観たら、知り得たことも多かったですし、ストレートに大きな感動を運んでくれるものでした。命の重さを嫌なほどに知り尽くしている人が、二重遭難をさせない為に、苦渋の決断をする場面や、決してあきらめないで希望を捨てないで、生きて帰ることを体を張って見せてくれる描写に涙なしでは観られなかったです。
演じた俳優さん達は、それこそ体当たりのロケだったのでしょうね。
過酷な極限情況下において、人としての善の部分を照らしてくれる良作。
皆さんのレビューからも、原作の漫画は漫画でぜひ堪能したい・・と気持ちが動かされました。
追記 紅葉シーズン最中、今回の御嶽山噴火による痛ましい事故に全力をかけて
救助活動されている警察、消防、自衛隊の皆様方の勇姿に目頭が熱くなります。命をあきらめないことの大変さ、尊さ、そして容赦ない自然の大きさ。
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