「ラングドン教授の大災難」インフェルノ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ラングドン教授の大災難
ダン・ブラウン原作の世界的大ベストセラーに基づく『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続くロバート・ラングドン教授シリーズ第3弾。
原作では『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』、その次が『ロスト・シンボル』らしいが、何故かそれをすっ飛ばして本作。あ、勿論未読。
『ダ・ヴィンチ・コード』も『天使と悪魔』も見ているが、はっきり言って面白いと思った事は一度も無い。って言うかズバリ、つまらん。
そもそも、宗教絡みの話を日本人に見せたってピンとこない。
陰謀劇や謎解きもこちらに考えさせる暇もなくあまりにもせっかちに話が展開していくので、その醍醐味はほとんど皆無。
どうも取っ付き難い…。
話題作なので一応見ておくか程度の気持ちで今までも今回も鑑賞。
今回は、モチーフとなっているのはあるが、宗教色は控え目。
ラングドンが病院で一部記憶を失って目覚めて始まり、訳も分からず狙われるヒッチコックばりの巻き込まれサスペンス。
複数の組織が交錯し、誰が敵で味方かも分からない。
エンタメ性はグッと増し、前二作より比較的見易かった。
しかし、それで良くなった、面白くなった、とは別の話。
相変わらず観客置いてきぼりの謎解き&展開。
とにかくラングドンが走る、走る、走る! 知的ミステリーは何処へやら、すっかりサスペンス・アクションに様変わり。
記憶を失って、狙われ、逃げ、徐々に記憶を取り戻して…って、今公開してる何かで見たぞ。
ラングドンが見る幻覚の地獄絵図はホラー、死仮面の監視映像の件はコメディかと思ったわ。
一番の難は、ウィルステロで人類の半数を淘汰しようとする大富豪の動機。どうも納得いく説得力ある理由に欠けた。
それって、奇しくも日本では同時期公開の『デスノート』と同じ独善的な理由でしかない。
それにしても、本作でのラングドンの不甲斐なさ…。
記憶障害により自慢の頭脳も上手く回らず、得意のアナグラムも。女ヒットマンに狙われ、へっぴり腰。
ひょんな事からの今回のパートナー、フェリシティ・ジョーンズ演じる美人女医の方が機転が効き、色んな意味で見せ場をさらっていく。
徐々に調子は取り戻していくが…、本シリーズって一応ラングドンのヒーロー映画なのに、前二作もそうだけど、大してそんなに活躍してないと感じるのは自分だけ…?
キチ○イのトンデモ計画に皆振り回され、ドエラい事になってるんだけど…、何だろう、この、こけおどし感は…。