ねこタクシーのレビュー・感想・評価
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悩める中年オヤジに寄り添う映画
猫に元気をもらえる癒し映画と思って観たが猫ちゃんは添え物で出番は少ない、主役はうだつの上がらない中年オヤジ、コミュニケーションが苦手で教師を辞めた人間がタクシー運転手を選ぶなんて尚更無理でしょう。個人的には運転手さんは道に詳しく安全運転が第一だからタクシーに本業と関係ないサービスは求めません。
まあ、個人タクシーさんが飼い猫を乗せる分には認めても良いとは思いますが実際にはあまり聞きません、それもそのはず結構、法律のハードルが高いようです。
法律はよくわからないが保健所が敵役、そもそも猫タクシーはお客さん次第、猫好きなら歓迎かもしれませんが、人それぞれなので賛否を問うても多数決で決まる話ではありませんね。要するに同病相哀れむのように社会でも家庭でもうだつの上がらない悩める中年オヤジに猫が寄り添う映画を作りたかったのでしょう。
タクシーにネコ乗せた
ネコ乗せたら、客は喜んだが、法的にアカンと言われて…。
で、全ての内容を語れているように思う。
ネコ好きな人は楽しめるが、ファンタジーとして楽しめない人はちょっと…。
私はネコ自体は好きだが不自然な映画はどうも…。
竹山がはまっていた
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
お笑い芸人のカンニング竹山が主演して、タクシーに猫という内容の作品だと聞けば、どんな緩い喜劇なのだろうかと思った。猫が喋ったり猫と一緒になってはちゃめちゃな騒動を起こすのかと思っていた。そうしたらお笑い場面は一切なしの、むしろ真面目な作品なので少々面喰った。猫は存在するだけで、基本的に人を描いた作品だった。
その中で竹山がうだつの上がらない生真面目だけど本当は弱くて少しだけ狡い部分を持った主人公を、思いのほか上手く演じていてはまっていた。こういうことも出来るんだと感心した。
ただ物語としては起伏に乏しい上に、演出もやや淡々としていて盛り上がりどころに欠けた。退屈ではなかったが、もうちょっと見せ場や抑揚が欲しい。結末の学校は唐突で、そこにいくまでの場面を何か追加しておくべきだった。
竹山のキャラクターは、ついつい応援したくなる
主演がカンニング竹山。映画の中では描かれ無いが、人間関係が苦手な為に、過去に教師として挫折した経験が有る人物。娘の山下リオちゃんとは、まともに話すらして貰えず、しっかり者の妻役鶴田真由にも、見下されている毎日。
今はタクシー運転手として地道に働いてはいるものの、営業成績は最低で会社からは常にはっぱを掛けられている男。
そんなダメダメ男なのに、何故これ程の美人の奥さんをゲット出来たのか…実に不思議だ(笑)
ネコババア婆さん室井滋の家に居た《御子神さん》を引き取って車に乗せてから、それまでの無気力な人生が変わった。
いつもオドオドしながら日々生きている竹山のキャラクターがかなり良い。何だかつい応援したくなるキャラクターでした。
…いやいや!決して普段の自分を見る思い…じゃ無いっすから!
映画は竹山と正反対の人物として、女性タクシー運転手の芦名星を用意。男に負けたく無いキャラクターとして、嫌みな人格の持ち主となっている。それでも映画の後半には、ちょっとした本音を竹山に漏らす。
もう1人重要な人物として登場するのが、刑事役の内藤剛志。
営利目的の為に動物を利用する是非を、竹山を通して観客にも訴えかける。道徳的な見地からみても確かに頷ける人物像で、ドキュメンタリー映画の『犬と猫と人間と』を観た時に得られた、ペット文化に対する一石を投じる様な人物設定でした。終盤で母親から語られる幼い頃のエピソードが実に微笑まし。
自分の為では無く、たった1匹の年老いた老猫の為だけに、必死になる姿に絆される内容は、知らずに乗り込んだ事で、御子神さんに日々の疲れを癒された乗客同様に。映画を観た我々観客も、日常の嫌な事を忘れさせてくれる作品でした。 途中で盲導犬と一緒に乗り込む女性のエピソードも、色々と考えさせてくれて、なかなか良かったですね。
何事にも動じない御子神さんと、怖がりでいつもオドオドしているコムギの2匹もとても可愛いかったのですが、ちょっと気になったのは、最後にあの様な終わり方になった事。
竹山のキャラクター設定からして、どう考えても巧く立ち向かって行けるとは、どう見ても思えないのですが…。
ストーリー上に於いてはよく理解出来るのですが、キャラクター設定を考えると果たしてどうだったのでしょう?せめて、キャラクターの性格自体を若干変えていたら…と、ついつい考えてしまいました。
(2010年6月13日シネマスクエアとうきゅう)
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