「【山田洋次監督による見知らぬ男女三人が不思議な縁で、共に赤い車で北海道を旅するロードムービーでありヒューマンドラマの逸品。何度観ても、ラストシーンは涙する作品でもある。】」幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【山田洋次監督による見知らぬ男女三人が不思議な縁で、共に赤い車で北海道を旅するロードムービーでありヒューマンドラマの逸品。何度観ても、ラストシーンは涙する作品でもある。】
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◆感想<何度観ても、印象的なシーン><Caution!内容に触れています。>
・刑務所から出所したばかりの勇作(高倉健)が、食堂に入りビールと醤油ラーメンとかつ丼を注文し、ビールをコップに注ぎ一気に飲み干してから、醤油ラーメンとかつ丼を一瞬眺めた後に、醤油ラーメンを掻き込むシーン。
・失恋した欽也(武田鉄矢)が新車を購入し、北海道に行き内気な朱実(桃井かおり)と勇作出会い、ひょんなことから共に旅をするのだが、その中で欽也と朱実との関係性が変わって行く様。
ー 最初はやや軽薄な男として描かれる欽也が、同じ九州出身の勇作から説教されるシーン。そして、内気だった朱実が、勇作が刑務所に入った理由や、彼が愛した妻と泣く泣く別れた事や彼が刑務所を出所した後に、彼の元妻光枝(倍賞千恵子)に”ある事”を書いた葉書を出していた事を知り、徐々に積極的に勇作に対し、彼が元妻光枝に逡巡しながらも会いに行く気持ちを支える姿。ー
■再後半、勇作が車内で欽也に、自分と光枝が暮らしていた夕張炭鉱の家への経路を指示するシーン。
勇作は途中から顔を上げられなくなるが、欽也と朱実が町の一番奥の家に掲げられた数多くの黄色いハンカチが風に靡く風景を見た時の歓声(朱実は涙を流している。)と、勇作がゆっくりと洗濯物を干している光枝に近づき、彼に気付き、涙する光枝の肩を抱き家に入るシーンをロングショットで映し出すシーンは、何度観ても涙してしまう。
<今作は、縁の無かった男女3人の姿を描いたロードムービーの逸品であるし、ラストシーンを見るとどうしても涙が出てしまう、ヒューマンドラマの逸品でもあるのである。>
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