「キャストの無駄遣い」死刑台のエレベーター MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストの無駄遣い
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キャストだけで面白いのかと思ったが、間違った時間の使い方だった。ただただ後悔。駄作も良いところ。
脚本なのか演出の問題なのか、どの殺しにも強い動機が感じられず、ただただ吉瀬美智子だけが一貫してドジな阿部寛を求めて、好き放題暴走している状態。脇役に深みのある演技をする俳優さんが沢山いるにも関わらず、吉瀬美智子が出てくる時間がひたすら長く、ストーリー性も台無し。吉瀬美智子は確かに綺麗だけれど、この役を背負うには安っぽさ胡散臭さが先に来てしまう。
過去に彼女を取られ、殴られて銃も取られた警官が組のトップを躊躇いもなく殺すのも意味不明。翌日あっさり泣くほど謝るのも意味不明。巻き込まれたに近い彼女役の北川景子は、お客さんの車だから好奇心があったのかもしれないが、アホで写真を撮ったりフィルムを他人に渡したり。殺しの現場に巻き込まれているのに恐怖を抱いている様子もないし、フィルムを預かった写真屋さんのおじさんに至っては、写真館に刑事や玉山鉄二が出入りしていても、その場にいない。どこに行ったのか意味不明。全体的に不可解すぎる。
完全犯罪に終わるはずが、エレベーター停電のせいで計画がなにもかも崩れ去り、更には2つの事件が偶然交錯して一見複雑になってしまったが、どちらもただの痴情のもつれでこうなっただけの浅い浅いものでしたという結論に至るまで、ただただ引きずられて、トリックも何もなく終わる。
恋愛が絡む事件では必ず証拠が残るから、完全犯罪はありえないという刑事さんの言葉のみ、納得できる映画。
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