「よくある話を上手く活かせた娯楽アクション」テイカーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
よくある話を上手く活かせた娯楽アクション
銀行強盗のプロ集団と熱血刑事の攻防。
ありきたりな題材だが、なかなか飽きさせない作品になっている。
銀行強盗のプロ集団“テイカーズ”。
冷静沈着なリーダーを中心に、周到に作戦を立て、白昼堂々、大胆ながらも鮮やかな手口で強盗を成し遂げる。
犯行は年に一度。儲けはデカく、稼いだ金で豪勢に暮らす。
ポール・ウォーカー、ヘイデン・クリステンセンらがクールに演じる。
そんな彼らの逮捕に執念を燃やすのが、LA市警のウェルズ。
手荒な捜査で問題視されており、職務に没頭するあまり家族との関係は崩壊、せっかくの娘との面会日も仕事を優先してしまう。
マット・ディロンが熱く男臭く演じる。
やがて、ムショ帰りのかつての仲間が急な強盗計画を持ちかけるが…。
確かにどれもお決まり又はお約束の設定・展開だが、それらを最大限に巧く活かしきっている。
銃撃戦に爆破…派手な見せ場をたっぷりと活写。特に、驚異的な身体能力の逃走劇は躍動感満点。
完璧だったチームにミスが生じ、裏切りによって仲間が命を落としていく。
そして、ウェルズがじわじわと追い詰める。
奪う者と追う者、双方のドラマの行く末は、香港ノワールのような哀愁さえ感じる。
しっかりツボを抑えた娯楽アクションの良い見本。
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