「よく出来たリブート作品だが…」ゴーストバスターズ image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)
よく出来たリブート作品だが…
劇場公開版とエクステンデッド・エディションを1回ずつ鑑賞した上での感想を。
とてもよく練られた面白いシナリオに、オリジナルをはるかに超える視覚効果。オリジナル以上に多様な対ゴースト兵器のカッコ良さ。それだけでも十分に楽しめたし、面白かったとまず言っておこう。だがしかし、リブートである以上オリジナルとの比較は免れないが故に、かえってオリジナルを比類ない作品にしていた要素が何であったかを逆に照らし出すことになった。
まずひとつめ。過去作も今作もオカルトを扱いながらどこまでもコメディであらんとした作品であることには違いないが、今作が随所に散りばめられた「おふざけ」によって笑いを取ろうとしたのに比べ、過去作はどこまでも「おふざけ」を回避して登場人物たちの一生懸命さが観客の笑いを誘っていたこと。
ふたつめ。どちらもエンターテイメントであることに徹したことは共通するが、今作が「楽しい・面白い」というレベルにとどまり、過去作がキャラクター達への「親近感」を感じさせたり作品自体の「ほっこり」とした包まれるような雰囲気が「面白い・楽しい」といった感想を超えてしみじみとした印象を観るものに残し、「幸福感」さえ感じさせてくれること。
上記2点は、おそらくは過去作の方の監督アイヴァン・ライトマンの他の作品を観ればそれが作風であって、彼のどこまでも優しい描き方が作品ににじみ出ており、エイクロイド&ライミスの脚本も大いにそれを支えたからであろうか。
今作もなかなかの佳作ではあったが、はてさてオリジナルの過去作の正当続編といわれるライトマン息子監督による「アフターライフ」がどんな出来栄えになるか、興味津々であり楽しみで仕方がない。