「笑顔で弔う」永遠の僕たち ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
笑顔で弔う
うわーもう良かった。凄い好きですこの映画。
兎に角もうなんだろう。
主演のヘンリー・ホッパーとミア・ワシコウスカちゃんのやり取りがずっと微笑ましくて可愛らしくてウブくて、ずっとニヤニヤしちゃってました。
カメラが彼らに向ける視線がとても優しくて、柔らかで繊細で、もうタマランです。
ふわりとした手触りでこの世界を捉え続けてるというか、2人が会話してるだけで、もう素敵過ぎて口が綻んでしまう。
ヘンリー君(デニスホッパーの息子さん!)のはにかんだ笑みとその純粋性、ミアちゃんの伸びやかで屈託ない奔放さ。
謎多き加瀬亮の純朴な好青年振り。
周囲の大人達のあからさまではないけど、そこはかとなく滲む優しさ。
リアルとファンタジーの狭間というか、リアルがファンタジーを迎え入れたというか、この絶妙な世界観。
そして、出てくる登場人物に悪人が存在しないのがイイ。
全ての人間がこの2人を邪魔せず静かに優しく見守っているのがイイ!(添え物的、記号的な悪人は存在しますが)
もう完璧です。この映画を包む全てが優しくて。
それに相反する様にですが、この映画のテーマに『死』が含まれてるのは明らかで、無視できません。
『死』は全編通して語られてるし、彼らの身近にずっと横たわってるし、無視できない。
2人も知っている。『死』を知っている。誰よりも。
だけど、悲しむ?怒る?嘆く?泣く?
どれを選択するのか。
やがて訪れる、その瞬間。
このラスト。ずっと心から離れません。
切ないけど清々しい。
清々しいけど切ない。
これも、きっとハッピーエンドなんですよね。
とても優しい映画でした。
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