劇場公開日 2011年12月23日

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「愛と理不尽とを繰り返して、ゆっくりと形象化していく物語」永遠の僕たち えすけんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0愛と理不尽とを繰り返して、ゆっくりと形象化していく物語

2023年4月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

不慮の事故で両親を亡くした少年と難病に侵され余命幾ばくもない少女の物語。

他人の葬式に勝手に出向くことで死そのものを茶化したい。自分の葬式の演出を愉快に考えることで笑い飛ばしたい。何も考えない振る舞いをすることでなかったことにしたい。

僕らはいつになったら死を受け入れることができるのだろうか。

これを読んでいる貴方も書いている僕もいつか死ぬ。必ず。地球上に存在する60億の人間のみならず、動物も植物も細菌も、あらゆる生命体はいつか必ず死ぬ。なのに、死はいつまでたっても抗いがたく受け入れがたい。

まして自我も未成熟なアーリーティーンであればなおさら。いつもは説明的な科白を排するガス・ヴァン・サントが、今作では10代の青々とした直接的な言葉をいくつか吐かせる。

それをお互いが真正面から受け止めざくりと傷つき途方に暮れる。だけど、その不器用で、馬鹿正直に真正面から捕える様に、僕らは、変に格好つけて大人ぶって散じてきた何かを見つけ共鳴する。

詰まるところ死は、どうやら愛と理不尽とを繰り返して、ゆっくりと形象化していく以外に術はなさそうである。

ガス・ヴァン・サント作品らしく、主演を務めたヘンリー・ホッパーが息をのむような美少年。調べてみると名優・デニス・ホッパーの4番目の奥さんとの息子だとか。

恋人役のミア・ワシコウスカも、死に翻弄されながら、生を迸らせるキュートな少女を見事に演じている。カミカゼ・加瀬亮も重要で、ともすれば醒めちゃうような役どころをきっちり演じきっている。

えすけん