「前2作とは比べ物にならない傑作SF」メン・イン・ブラック3 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
前2作とは比べ物にならない傑作SF
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前2作が中学生レベルの下ネタに終始するギャグ映画だったので正直ナメてました。トミー・リー・ジョーンズ扮するKの若かりし頃にジョシュ・ブローリンが扮するという情報を得た時点でそれは予見できたはずでしたが、月面刑務所に40年服役している極悪宇宙人ボリスが脱獄して地球に舞い戻り、過去にタイムスリップして通りすがりの関係者をブッ殺しまくりながら宿敵Kを追うというお話はほぼ『ノー・カントリー』。しかしそれだけでは収まらないのがこの映画のすごいところ。さらにウィル・スミス扮するJがタイムスリップで1969年にKを助けに行くという過去改変SFの正統派路線をガッツリ展開。ここで重要な役割を果たすのが複数の未来を同時に見ることのできる宇宙人グリフィン。これがフィリップ・K・ディックの著作に頻繁出てくるプレコグのごとく、様々な未来を見せつつ深遠な哲学的命題をあくまでギャグとして客席に放り込んでくる。1969年の時代描写もとても美しくノスタルジーに溢れていて垂涎もの。上司Oの若い頃が『バーバレラ』のジェーン・フォンダ風とかアノ人がエージェントW!?とか明らかにオッサン向け小ネタもパンパン。タイムスリップの使い方、オチの付け方がもうセンスオブワンダーに富んで感動的。前2作でバカ映画と判定して観てない方にこそオススメしたい名作です。
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