「戦場」世界侵略 ロサンゼルス決戦 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
戦場
圧倒的な臨場感だった。
エイリアンによる侵略戦争なんものが題材なのだが、見せ方も物語も上手く胸が熱くなる。
戦時下に巻き込まれていく序章がよくて、そこから怒涛の戦闘シーンに入ってく。
物語の8割はドンパチだ。
銃撃戦のSEが鳴り止む事がない。
いい加減飽きそうなものなのだが…UPカットを多用したハンディカメラで繋ぐ編集が、戦闘の空気感から離してくれない。
ホントにしてやられた感、満載だ。
物語の筋なんて単純なもんだ。
ほぼ無いと言っても過言ではないのだが、物語を動かすのはキャラクターと言わんばかりに、登場人物達に惹きつけられる。
戦場から逃げのびた歴戦のエース
防衛学校を首席で卒業した即席の少尉
兄を見殺しにされたと勘違いしてる兵士
父親が目の前で死んだ幼き海兵隊員
空軍の男勝りな女性兵士
海軍の誇り高き兵士達
物語は単純だけれども、彼らをもとてもシンプルに描ききった。
無駄な贅肉の全くない格闘家のようであった。ただひたすらに戦っていた。
この手の話の定番ではあるのだけれど、圧倒的な戦力差を見せつけた後での反撃の狼煙。
やっぱアツクなるよねぇ。
たったの7人で戦局をひっくり返す。
諦めずに戦い抜く。
自らの信念と守るべきモノの為に。
未知の脅威であろうと、どれだけの犠牲が待ち構えていようと、前進する。
戦線から命からがら脱出したヘリの中で主人公は叫ぶ。
「ヘリを下ろせ!俺たちしかいないからこそやるんだ。」
彼が閃いたのは敵の司令塔の存在だ。
なんの確証もない。そんな中自ら地獄に戻ると叫ぶ。それが最善だからだ。
自分に、ではない。
この戦争に勝利する為に、だ。
巨大要塞のような司令塔が沈んでいく様は圧巻だった。
基地に戻ったチームを待っていたのは仲間達からの激励だ。突破口を見出した英雄達の帰還なわけだ。
束の間の休息に身を委ねるチームの中で、主人公は弾倉に弾を詰めていく。
それを見て自分達も準備を始める兵士達。
何を話す訳でもない。
これが俺たちの仕事であり使命だと、背中が語るようだった。
ずっと気になってた本作。
コロナ自粛の折、ネットフリックスで見たのだけども、それぞれの持ち場も戦い方もきっとある。そんな想いに駆られた。