「排他的な天才の半生(反省)記」ソーシャル・ネットワーク 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
排他的な天才の半生(反省)記
クリックして本文を読む
野望を胸に次々と事業を拡大、最年少の億万長者に上り詰める一方で、アイデアや資金面を巡り、衝突が絶えず、泥沼の訴訟合戦に呑み込まれていく顛末をノンストップで突き進む。
頭一つで一攫千金のアメリカンドリームと、ちょっとしたトラブルがすぐに裁判沙汰となってしまうアメリカマネーゲームの裏表の怖さは、凄まじいビートの速さでこそ、浮き彫りになったと思う。
しかし、ネット社会に疎く、デビッド・フィンチャーのブランドで釣られた私みたいなライトな魚には、今作の膨大な情報量とスピードに辟易するばかりだった。
主人公は終始、薄情なキャラなうえに何事にも他人ごとやから、彼がネット掲示板にもたらした革命と功罪がイマイチ実感できない。
敵と共倒れしなかったのは、確かに立派やと思うけど、陰湿で全然羨ましくない。
そりゃあ、いつも独りぼっちやわと思った。
まあ、そういう映画なんだと云われちまったらそれまでやけど。
では最後に短歌を一首
『網交わす 選ばれし顔 釣る宴 神と泥棒 共喰いの舟』by全竜
コメントする