さんかくのレビュー・感想・評価
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ただの恋愛映画と思ったら大間違い
アイドルの恋愛映画かーとか一瞬ぎくしゃくするけどそれが薬になってお互いの大切さを再確認するんでしょみたいにあまり期待しないで観たのですが、
監督ごめんなさい。本当に良かったです。
邦画は「現実にいそうな人」「現実で起こりそうな事」「日常」を描くのに本当に長けてます。
それプラスこの映画はイタくてキモくて愛おしい、そんなお話ですw
恋愛映画にある甘い感じがほとんどないのです。(むしろ途中にはギャグホラーがw)
人間のそこは触れちゃだめってとこをこれでもかというくらい丸裸にされます。
こうはなりたくないもんだと思いつつ恋愛中ってみんな多少イタいしキモくて。w
愛があるうちは嬉しかったことが冷めると気持ち悪く感じる、
どこまでOK?っていうその線引きは恋愛だけじゃなくほんとに難しい。
百瀬の電話のシーンなんてそれが顕著で「もしも〜し♪」と「もしもし?怒」の違いとか
好きな人にやっと電話できる!!ってはしゃぐ感じとか
繋がらなくてあ゛ーってなるシーンとか。
わかるし気持ち悪いしという複雑な感情を経験しました…。w
百瀬や佳代までいかなくてもみんなこっそり共感してしまうような恥ずかしい経験はあるもんだと思います。w
役者さんも本当に素晴らしくて
高岡さんは中二病の極みのような百瀬(あの車が彼の全てを表してるw)をこんな人たまにいるいる!って思わせてくれるくらいリアルに演じてて、
癖がなく何色にでもなれるけど真っ白ではないそんな役者さんだなぁと思いました。
田畑さんはなんといっても最後のあの笑顔。
あんな絶妙な表情って他に見たことがないってくらいいい顔でした。
田畑さんを起用した意味がすごくよくわかるワンカットで是非見てほしいです。
小野さんは桃役をやるように生まれてきたような、容姿から舌っ足らずな喋り方からちょっとハスキーな声まで「田舎の背伸びした小悪魔感」が完璧でした。
その他にもネズミ講の人や警察官までいい味出し過ぎてて配役をしたのセンスに脱帽ですw
あの後の物語が気になるけど終わり方まで完璧な映画でした。
こんな男を許したらダメ!
田畑智子ちゃんがかわいそうでした……。ヘンな男に引っかかっちゃったね。田舎で親と暮らした方が幸せだよ。都会は合わないよ。 高岡蒼甫のダメ男ぶりの演技は、すばらしい!! 実生活の宮崎あおいちゃんまでかわいそうに思えました。 最後は、ビビビのねずみ男に、なり下がって…。こんな男を許したらダメ!だから、星三つです。
イタさの極み。
チラシやポスターを観る限り、もっとほのぼのとした
のほほん系だらしない男の浮気物語かと想像していた。
が^^;これはまた…凄いホラーを観てしまった感がある。
うん、恋愛映画はこんな風にホラー化もするんだ。(爆)
この監督…かなり想像力があると感じる。
特に説明もなく、会話がポンポンと進み、意味ありげな
映像のエロ味?このねぇ^^;まぁ無防備というか確信犯と
いうか、15歳って、色気と無邪気の境目みたいな感じを
本当に巧く出せている。この…AKBの小野さんですか?
この子、普通に小悪魔できてますね。この先怖いです。
おそらく高岡くん、演技以上にドギマギしてますから^^;
さて…個人的に恐怖を感じたのが彼女役の田畑智子の
あの、変わりよう。だんだんとエスカレートしていくのが
もうイタイのなんの!でも女って、こういうところある?
自分に経験がないからなんとも言えないが(爆)
いわゆるストーカーに走る元カレ・カノというのはこうして
歯止めが利かなくなるんだろうか…などと思いつつ。。
案外しっかり者に見えたのに、いきなり変わって驚いた。
しかしこの、アンタが悪いんだよ!的などうしようもない
バカ男を演じた高岡くん。悪いけどホンっト良く似合う^^;
も~あの車!あれだけで彼の人間性が分かりますね。
バカ男と思わせる全ての要素が詰まっているというか。
後輩への態度といい、職場での態度といい、どれも最悪。
いくら友達が少なくたって、こんな男のどこが好きなの?
まぁ…マルチを見抜く目だけは、あったみたいですが^^;
規模的には非常に小さい日常話になっているため、
これ、どこなんだろう?駅?田舎?なんて想像も膨らみ、
ゲスト的に出てくる懐かしい顔も、それらしくて笑える。
どうしようもないオトナ達をさしおいて(爆)
意外と冷静に恋愛を分析する中学生達の台詞にも驚く。
だよね、気付かないといけないよね、オトナなんだからx
この監督、何かと三角関係にするのが好きなんだろうか。
なんか前作もそういう親子と他人の絡みだった気がする。
今作を観て、うわ怖いなぁーとか、バカバカしい奴らだ~
なんてゲラゲラ笑っていられるうちが華かもしれない。
いつ自分がおかしな行動に出てしまうか分からない?
という恐怖汗が今作から流れるほど出てくるのである。
(教訓:マルチと小悪魔と柔道技には注意。どれもイタイ…)
いい意味で期待を裏切る良作
クスっと笑ったり、大笑いしたり、驚きおののいたり、心が痛かったり、とても面白い映画でした。
キュンとくるラブストーリーかと思いきや、ホラーサスペンス!いや、でもやっぱりラブコメだったかも…?という印象でした。
最初は、「ああ、あるある」「いるいる」の連続だったのが、とんでもない方向に物語が進んでいき、でも最後は心がほっこりしました。
誰しもが経験した事のある片思いでもエスカレートしすぎるととんでもない事になるから気をつけなさいよ、という教えでもありました(笑)
エスカレートしすぎなストーリーでも、役者さんの演技もとても良くて、観ているうちにぐいぐいと引き込まれていきました。
高岡君演じる百瀬が桃に手を握られた時の表情、1日お泊りでいなかった桃が帰ってきた時の表情、なんとも切なくていい目をしてます。
百瀬の中では佳代の存在はすっかり忘れ去られ、桃との美しい純愛の世界なのだろうと思わされました。
桃への思いがエスカレートしすぎた後半は良い意味で気持ち悪いくらいでした。
桃に対しては声までデレデレしてるのに佳代に対してはあからさまに表情や声にも苛立ちが見えるのも上手かった。
しかし我に帰って落ち込む姿はなんだか情けなくも愛しくて、佳代の「バカだけど好き」という言葉の意味が良く分かりました。
田畑さんも熱演です。
高岡君とのシーンは長回しが多かったのですが二人とも息ぴったりでとてもナチュラルなお芝居で、本当にカップルの痴話げんかを覗き見しているかのようなリアリティがありました。
百瀬への気持ちがエスカレートしすぎて感情を爆発させる激しいシーンはあまりの迫力に良い意味で怖かった。
でも百瀬に嫌われたくなくてシュンとしてしまう姿がとても健気で愛おしかった。
ラストもとても良かった。こんな素敵な人に思われてたら幸せ。
小野さんも瑞々しさがとても良かった。
姉に隠れて手を握った後ににこっと笑う姿、「おかえり」とにっこり微笑む姿、夜中にトイレの前でばったり会ってじっと見上げる仕草、たまらないですね。
あれじゃ百瀬が本気になってしまうのも仕方ない。
桃と百瀬においては百瀬目線描写しかないので百瀬に対する桃の心理が描かれることがない。
そこが桃が一体どういうつもりで百瀬に近づいたのかが最後までわからなくて良いんじゃないのかな。
百瀬というキャラクターに自身を投影したという監督の思い描く理想の小悪魔像というのが納得です。
脇の役者さんも面白かったです。
マルチ商法の上司、刑事さん、百瀬の同僚、良い味出してました。
これは友達にも面白かった!と勧めたい作品です。
背筋が凍るぐらいに愛おしい
拙ブログより抜粋で。 -- すごく面白いです。一風変わったラブコメを観たいなら自信を持ってオススメできる。 ただ、個人的にはちょっと期待しすぎた感があって、もう一息インパクトが欲しかった。 脚本の段階からはっきりとコメディ色だった『純喫茶磯辺』に比べると、良くも悪くも“普通”すぎて。 普通と言っても映画としてありきたりってことじゃなくて、リアリティありすぎて生々しいっていう意味。 タイトルや主役の三人が肩寄せ合うキービジュアルから予想されるであろう、ポップな三角関係はいい意味で裏切られる。 確かにそんな感じの恋模様なんだけど、三角関係未満の一方通行な想いのせめぎ合い。 悪意のない天然小悪魔な桃の思わせぶりな振る舞いに、ちょっとイタいナルシストの百瀬が一方的に熱を上げ、そんな関係に気づいてもいない佳代が、遠のいていく彼の思いを必死に引き留めようとしがみつく。 ほんとにもう、ただそれだけのお話なんだけど、その過程で描かれる、男と女の愚かさとか醜さとかが、もう笑っちゃうしかないぐらい、痛々しくも切ない。そして恐ろしい。 とりあえず男の自分からすると百瀬に肩入れせざるを得ない。 桃みたいな女の子が目の前にいたら、思わずその気になっちゃうだろうなぁって同情するし、幾分めんどくさい女の佳代にしたって、あんだけ献身的にされ、感情をぶつけられれば情も湧くし、守ってあげたくもなる。とどめはあの笑顔でしょ。そりゃコロッとやられますって。 たぶん女性がこの映画を観ても、立場を逆転して百瀬を同じように感じるんじゃないかな。 三人が三人、多少イタいとはいえ、まあまあ普通の人たちなのに、えらくキャラ立ちしてるのがこれまた愉しい。 三人を演じる高岡蒼甫、田畑智子、小野恵令奈それぞれが、ほんとにいい仕事してると思う。 百瀬にしても佳代しても、決して出来のいい人間じゃない。明らかに人間的な欠陥を抱えてるんだけど、それでも惹かれ合う。 憎たらしい相手であっても心配してしまう、優しくしてしまう。そうやってどこか欠けた者同士が支え合うのが人間だよね、って好意的に受け止めさせる幸福感がこの映画にはあるの。まさに人間賛歌。 付け加えると、エンディングに流れる主題歌『空が白くてさ』のアコースティックな響きが、ラストに見せる田畑智子の笑顔とともに非常に心地よく、余韻を残す後味がすこぶる良い。 それにしても田畑智子さん、あんたは素晴らしいよ。いい女優さんだ。 前々からお気に入りの方だったけど、これまでで一番輝いていたんじゃなかろうか。 一見普通に素敵な女性なのに、一途な愛情が徐々にあらぬ方向にずれていく可愛らしさといったら、背筋が凍るぐらいに愛おしい。 そしてラストのあの微笑みでしょ、まんまと惚れ直しました。ああ女って恐ろしい。
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