「ただの恋愛映画と思ったら大間違い」さんかく 77さんの映画レビュー(感想・評価)
ただの恋愛映画と思ったら大間違い
アイドルの恋愛映画かーとか一瞬ぎくしゃくするけどそれが薬になってお互いの大切さを再確認するんでしょみたいにあまり期待しないで観たのですが、
監督ごめんなさい。本当に良かったです。
邦画は「現実にいそうな人」「現実で起こりそうな事」「日常」を描くのに本当に長けてます。
それプラスこの映画はイタくてキモくて愛おしい、そんなお話ですw
恋愛映画にある甘い感じがほとんどないのです。(むしろ途中にはギャグホラーがw)
人間のそこは触れちゃだめってとこをこれでもかというくらい丸裸にされます。
こうはなりたくないもんだと思いつつ恋愛中ってみんな多少イタいしキモくて。w
愛があるうちは嬉しかったことが冷めると気持ち悪く感じる、
どこまでOK?っていうその線引きは恋愛だけじゃなくほんとに難しい。
百瀬の電話のシーンなんてそれが顕著で「もしも〜し♪」と「もしもし?怒」の違いとか
好きな人にやっと電話できる!!ってはしゃぐ感じとか
繋がらなくてあ゛ーってなるシーンとか。
わかるし気持ち悪いしという複雑な感情を経験しました…。w
百瀬や佳代までいかなくてもみんなこっそり共感してしまうような恥ずかしい経験はあるもんだと思います。w
役者さんも本当に素晴らしくて
高岡さんは中二病の極みのような百瀬(あの車が彼の全てを表してるw)をこんな人たまにいるいる!って思わせてくれるくらいリアルに演じてて、
癖がなく何色にでもなれるけど真っ白ではないそんな役者さんだなぁと思いました。
田畑さんはなんといっても最後のあの笑顔。
あんな絶妙な表情って他に見たことがないってくらいいい顔でした。
田畑さんを起用した意味がすごくよくわかるワンカットで是非見てほしいです。
小野さんは桃役をやるように生まれてきたような、容姿から舌っ足らずな喋り方からちょっとハスキーな声まで「田舎の背伸びした小悪魔感」が完璧でした。
その他にもネズミ講の人や警察官までいい味出し過ぎてて配役をしたのセンスに脱帽ですw
あの後の物語が気になるけど終わり方まで完璧な映画でした。