「初恋は悪夢に翳る想い出の中に・・・」隣の家の少女 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
初恋は悪夢に翳る想い出の中に・・・
犯罪実録ものの映画に興味がある。
本作品は、インディアナで実際にあった事件をもとに執筆されたジャック・ケッチャムの小説を映画化したもの。陰惨で衝撃的と言うことで、ホラー好きの血が騒ぎ鑑賞したんだけど、後悔の気持ちが強かった。
ホラー映画特有の特撮を使った残虐シーンの直接的な映像は、ほぼ無いが、そこで行われた事象、状況、描きかたは不快感極まりないもので、心底落ち込んだ。
中年男性がまだ若かった頃、後悔という言葉だけでは済まされない、過去の悪夢について語りだす。
事故で両親を失った姉妹が伯母に引き取られ、隣の家に住むことになった。姉に対し、密かな想いを寄せる少年だったが、彼女は伯母から執拗な虐待を受けていた。止めることもできず、傍観者にならざるを得ない状況に苛立ちを感じていたが、暴力は凄惨を極めていく。
初めて見た時には、あまりにもリアルな作りで、どうしようもない怒りと憤りのない切なさで悶々とした覚えがあります。
そして、こんなことが実際に在ったっていうことに戸惑いました。
もう見ることはないだろうと、その時には思ったけど、今回久しぶりに見ちゃいました。
やっぱり、落ち込みますね。
ただ、たまにはこんな映画を見てちょっと深刻に考えてみるのもいいかな、と。
なぜ、伯母さんは姉妹に対して、執拗な虐待を繰り返したのか?
姉妹が自分の思いどおりにならないことへの怒り?それとも単なる若さに対する嫉妬、妬み?或いは姉妹の両親に恨みがあった憂さ晴らしなのか?
少年の有り余る好奇心は、広大な興味の前に、罪、または痛みに対し盲目となる。残酷な一面にも気付かない。
親(大人)に容認されていれば、子供は何をしても構わない。
集団心理の恐ろしさ・・・
再鑑賞後、改めて作品のバックボーンを調べてみた。
原作は未読だが、この作品自体も凄惨で衝撃的な内容で有名らしい。
そして、実際に行われた犯罪は、映画以上に残酷で凄惨なものだったことに驚愕してしまった。
1960年代にアメリカで起きた事件ではあるが、現代の日本でも起こりうるのではないか?
いじめ、虐待による死亡記事は後をたたない。記事として表にでない場合もあるだろう。より巧妙に、より陰湿に影で行われ、死亡事故にまで至らない場合もあるだろう。
しかし、その傷は一生、なおることはないんじゃないだろうか?
すみません、想うことが多すぎて、支離滅裂な長文になってしまいました。