「ごはん美味しかったし、お風呂はあったたかったし」FLOWERS フラワーズ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
ごはん美味しかったし、お風呂はあったたかったし
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映画「FLOWERS フラワーズ」(小泉徳宏監督)から。
日本を代表する女優たちが、それぞれの時代に沿って
それぞれ悩みながら、一所懸命生きている姿を演じている。
その中で、どの時代の誰の生き方が良かった、といえば、
私は、素直に「広末涼子さん」演じる佳に一票を投じたい。
自分がこの世に生を受けるために、母親が命を落とした。
それは、彼女の中で、いつまでも引きずっていくことなのだが、
いつの時からか、それを喜びに変える術を覚えた。
平凡ながらも幸せな生活をおくる妹の佳を、
ピアニストになる夢が破れ、彼氏にも振られ、妊娠が発覚し、
心が折れそうな「鈴木京香さん」演じる姉の奏が呟く。
「桂ちゃんは何をしても楽しそうだなぁ」と。
それを受けて、妹がニコニコ顔で、素直に返す。
「楽しいよ~。ごはん美味しかったし、お風呂はあったたかったし」
妹は、こんなことにも、幸せを感じることができるのか、と
たぶん、驚いたに違いない。
布団に入り、むせび泣く姉を、大丈夫だよ、という気持ちを込めて
妹が、子守歌のようにさするシーン、思わず涙腺が緩んだ。
平凡とも思えることに「幸せ」を感じることは、
自分の生んだ子どもが小さい時に、母親なら誰でも体験しているはず。
「絵なんかすご~く上手なんだよ、天才だと思う。
何でもないことでもね。この子がすると特別に見えるの、不思議だよね」
この時の気持ちを、いつまでも持ち続けられる女性が、増えて欲しい。
きっと、周りも幸せにする力がある、と思えたから。
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