ネタバレ! クリックして本文を読む
同時期に「カウボーイ & エイリアン」が公開されていたから姉妹映画のよう。
とは言ってもハリウッド版はダニエル・クレイグにハリソン・フォードだから格が違い過ぎ、もっともエイリアンはインディアンの弓矢で殺られる程度なのでどっこいどっこい。日本版は殺陣が見せ所と単純明解、エイリアンとのチャンバラとは奇想天外。
似たようなSF時代劇では「ゼイラム(1991)」や「タオの月(1997)」など異才・雨宮慶太さんの映画が先駆けですが、脚本・監督の千葉誠治さんはLAシティー・カレッジで映画を学んだ海外通だから忍者ものが海外に受けるのを見越しての映画作り、忍者コスチュームもどこかスター・ウォーズ風だしDCコミックのヒーローに通じる描き方、かと思えば妙なオカマやおっぱいを揉もうとするエイリアンなどエログロエッセンスも盛り込んで、突然ファック・ユーを連発したり続編を臭わす終わり方までアメリカン・B級映画のフォーマットに則していますね。
気弱な村の生き残りの少年がエイリアンの幼虫を隠し持っていたというのは驚き、親を殺され哀れな身の上と同情していたのにこの豹変は何?、単純なゲテモノ映画じゃありませんぞ言わんばかり、「ダークナイト(2008)」のノーラン監督流の人の心の闇にも触手を伸ばしてみたかったのでしょうかね。
興行受けに寄せ過ぎの感も拭えませんが異色作、そこそこ愉しめました。